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住宅新報 2010年9月28日 号 9面

「まずは聞き、謝る」

 叱責を糧に成長を

 叱られなくなったら終わりです

 仕事をしていると、ミスや対応のまずさなどが原因で、上司やお客様に「叱られること」があります。

 叱られるのは、誰にとってもイヤなものです。一生懸命仕事をしているのに、評価してもらえない切なさや、自分自身を否定されたような無力感さえ感じることもあるでしょう。しかし、叱られた原因を真摯(し)にとらえ改善すれば、また次に同じ失敗を繰り返すこともありませんし、自分自身の成長にもつながっていきます。

 さて、私は「叱られる=クレーム」だと、とらえています。この連載でもお話ししたように、クレーム対処の原則は、まず相手が何に対して憤慨しているかを「聞き」、「まずは謝る」こと。叱られたことに、「腹を立てる」「言いわけする」「無視する」などといった対応は、相手の怒りを増大させてしまいます。また、「私のどこが悪いの?」「なぜ私が叱られるの?」という『負の感情』が先に立つと、何に対して叱られているか、という『事実』を冷静に見えなくさせ、問題をこじれさせてしまう可能性もあります。

 また、中には、「謝ったら負けだ」などと感じる方もいるようです。もちろん悪くないのに謝る必要はありませんが、自分の「どこが相手に受け入れられなかったか」を聞く謙虚な姿勢が、相手に好感を持たれ、信頼関係を築いていくための第一歩です。まずは相手を受け入れて、その後、きちんと『アサーティブ(適切な自己主張)』に説明することを心掛けましょう。信頼減らす行為

 また、絶対にしてはいけないのが、自分のミスや落度を気付かないふりをしてカムフラージュすること。あるモチベーション系コンサルタントが、「人は働きながら『信頼預金』の『信頼残高(周囲との信頼関係の量)』を増やしている。信頼残高が増えれば、周りに信頼され仕事がやりやすくなる」と説いています。このように考えてみれば、『残高』が減れば周囲から協力や評価を得られなくなり、仕事はやりにくくなっていきます。また、残高を回復するために、これまで以上の注力をしなくてはならないのですから、残高を減らすような行為はできるだけ慎みたいものです。

 さて、私がお勧めしているのは、『叱られ上手になる』こと。「申し訳ありません」「ごめんなさい」という言葉をスッキリ心から伝え、叱られたことを糧(かて)にして、ぐんぐん成長を続けていくのです。また、もし、泣きたくなっても、人前では泣かず、後で一人になった時に思いきり泣きましょう。これも、叱られ上手の一つのテクニックで、特に男性は女性に泣かれると、どうしてよいかわからずオロオロしてしまいますし、「女性はすぐ泣く」「泣いてごまかす」などと言われないための対処法でもあります。

 最後に、実は、「叱ってもらえる」のはありがたいことだということをお伝えしたいと思います。叱る側も相当パワーが必要ですし、人間、誰しも叱って反感を持たれたり、人から憎まれたくはありません。そのまま、見ぬふりをされて、自分が「裸の王様」のような状態になったり、相手が怒りをためて大爆発してしまう前に、あえて、「叱ってもらえること」に感謝したいものです。

 次回は、「クイックレスポンスの重要性」について、お話しします。

 (たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)

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