都市未来総研 「保有資産拡大は足踏み」 10年・上半期Jリート取引動向 取得ベースで8兆円に
住宅新報 2010年9月28日 号 3面
みずほ信託銀行のシンクタンク「都市未来総合研究所」はこのほど、同研究所の「リートレーダー」を用いて分析を加えた不動産トピックス「Jリートにおける資産の取引動向」(仲谷光司氏)をレポートとしてまとめた。
それによると、上場しているJリート投資法人の6月末時点における保有資産額は、取得ベースで約8兆円とほぼ横ばいで、足踏み状態が続いたという。10年上半期における新規取得が過去3期と比較して最多となる0.4兆円弱に達したものの、譲渡によるマイナスも過去最大に膨らんだことが要因だと分析。結果として、純取得額は0.2兆円程度に留まったという。
投資法人の破たん懸念が後退したことや、資金調達環境が改善してきたことで、09年下期から増資や投資法人債発行による資金調達が再開できるようになった。これが新規の資産取得を後押し。新規取得は、特に東京都心5区の事務所に集中した。
一方、譲渡でも同様に東京都心5区の事務所に集中はしてはいるものの、政令指定都市、東京周辺区や都下の割合が多い立地の分散が見られた住宅の譲渡も多かったとしている。
同研究所では、「10年上期は、投資法人間の合併が初めて行われた時期と重なり、資産の取引環境としてはこれまでにない特殊な状況だった」と指摘。そうした環境下で行われた資産の取引には、(1)譲渡資金を新規取得に振り向けていないと推定できる資金繰りを主目的とする譲渡が非合併銘柄の2法人で見られたこと、(2)これまで3件にとどまっていた投資法人間の取引が2、3月に一気に6件も発生したこと--を上期の特徴としてあげている。
これら取引については、公表されている取引時のキャップレートに比べて、譲渡直前のキャップレートが低い傾向が見られることから、取引価格はディスカウントの傾向があると分析している。













