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スタンダード会員限定紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第64回 坂口有吉

住宅新報 2010年8月24日 号 5面

賃貸仲介

 「めやす賃料」の効果は

 分かりにくいお金が先

 賃貸業界に影響を与えそうな「登録制&めやす賃料」のうち、「めやす賃料」について述べてみたい。

 結論から言えば「めやす賃料」表示は、あまり意味がないのではということである。消費者からすれば「初期費用はいくら必要なのか」「毎月の支払額はいくらか」だけが重要で、平均していくらというのは意味がないと思うのだ。何年借りるか

 必要な初期費用がなければ契約できないし、毎月の賃料が払えなければ借りられない、それだけのことではないのか。なまじ、めやす賃料なるものを提示すると話がややこしくなるだけである。第一、借りる年数はマチマチだから、何年借りるか不明なのに4年という設定で計算したなら必ずしも分かりやすい表示にならない。

 従来通り月々の家賃とは別に礼金や更新料を支払う方法か、またはこれらの合算を月割りにして一時金をなくす支払い方法か、いずれかを選択できる制度も考えているようだが、何年借りるか分からないのだから、予定が変わって早めに退去したり、契約を延長した際、どのように調整したらよいのか、話がややこしくなるのは明らかだ。

 礼金や更新料など、消費者に分かりにくい名目のおカネをなくすよう努めるのが先決であって、そうすれば「めやす賃料」などというものは必要なくなるのではないか。敷金は保証料

 敷金は実質的には保証料みたいなもので、それを入れてもらうことで家主は万一に備えることができる。一方、入居者は退去時のクリーニング費用を心配しなくて済む。礼金や更新料はともかく敷金は必要なものだと私は考えていて、プラス仲介料と保険料が契約時に必要だったとして、それのどこが分かりにくい話なのか理解に苦しむ。

 どこにどう気を遣って出てきた話か知らないが、これじゃまるで「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」みたいで、業界に指導力を発揮できるリーダーはいないのかと何だか情けなくなる。(坂口有吉不動産・社長)

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