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スタンダード会員限定新会長に聞く 千葉県宅地建物取引業協会 薬袋茂幸氏

住宅新報 2010年8月24日 号 5面

「業者も取引に不安」

 調査や重説の盲点にリスク

 公益社団法人への移行を目指す千葉県宅地建物取引業協会は先の通常総会で、新会長に薬袋茂幸会長を選任した。着々と公益化への準備を進める一方で、「議論も尽くさなければならない」と主張する慎重派でもある。同時に、不動産取引における業者側の苦境に目を配ることも忘れない。就任にあたって会員増強や公益社団化などの基本スタンス、会員の現状などについて話を聞いた。

 --会員増強にどのように取り組みますか。

 「千葉県宅地建物取引業協会では昨年まで、入会金にキャッシュバック制を導入して、一時的に入会金引き下げの措置を取ってきた。更なる入会促進のためには、一時的ではない入会金の見直しに早急に着手しなければならない。入会金を引き下げたいくつかの宅建協会では、実際に入会会員が増加に転じて、結果的に引き下げただけの効果が出ているところもあると聞いている。

 「他の予算を削って入会金引き下げに充当するやり方か、先行して引き下げを実施してしまうやり方の2通りが考えられるが、時間的なことを考えると、おのずと後者を選択せざるを得ないだろう」

 --不動産取引に係るトラブルが目立ちます。

 「昨今の不動産取引の最大の問題点は、一般消費者以上に仲介業者の方が取引に不安を持っていることだ。中古住宅を仲介するだけでも、協会の依頼する弁護士に取引のどこに注意すべきかといった相談が会員から多く寄せられてくる。特に重要事項説明の記載漏れや不備、物件調査の盲点などを突かれるのを避けるためだ」

 「例えば、水道が引かれていない井戸水利用の物件で、体調不良を訴えた買主が保健所で水質調査したところ、飲料水に適さない井戸水だと判明し、損害賠償を求められたケースがあった。この場合、重説の井戸水にチェックを入れるだけでは不十分で、未調査であることも明記しなければいけない」

 「私も相談委員会で、こうした案件の書類に目を通すことが多くあったが、気の毒なケースもあり、どのレベルまで業者は調査を求められるのか疑問を抱く事案も多い。リスクを恐れるあまり、買取仲介や土地売買として取引する業者も多い。支部研修をまわって、『車を漫然と運転していると大きな事故に遭う。どのような物件でも細心の注意を払って取引にかかわってほしい』と啓発に努めているところだ」

 --公益化の準備は。

 「千葉県宅地建物取引業協会は、09年度の通常総会で公益社団法人への移行を決定している。目下、準備を進めている最中で、定款変更などの作業が残っている状況だ。ただ、公益化移行を申請するにあたり、『公益』か『一般』か、なぜ公益化なのかについて論議を尽くす必要があるだろう」

 「50%の予算を割く公益事業は、本来ならば協会会員とは関係がない事業だ。会員のための協会であるというのが協会発足の原点であることを考えると、更なる議論が必要だと考えている」

 「食料品業界など他の業種でも同様で、なぜ公益社団法人に移行するのかが明確にできず、依然として結論が出ていないところも非常に多いようだ。一方では事業比率を見直すなどという政府からの話も聞かれることもあり、業界の区別なく全体的には公益化の問題はいまだ様子見といったところだ」

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