社会を読む「不動産学」-明海大学 第16回 集合住宅管理論(2)
住宅新報 2009年1月6日 号 14面
●え!!私は出ていくの?
マンションを一生懸命管理していてもいつかは建て替える時が来ます。その時に、私が反対しても、建て替えが決議され、出ていくことになるかもしれません。
区分所有しているマンション。1つの建物を皆で所有しているがゆえに、さまざまなルールが必要です。
ゆえにマンションを持つといっても、ルールに従う必要がある制限付き所有権ともいえます。●マンションを所有・管理
マンションでは、皆で使う廊下や階段、エレベーター、建物の外壁・屋上、これを共用部分といい、皆で管理をします。ここは基本的には皆の共有です。各号室は専有部分で、基本的にマンションを買った区分所有者が各自で管理します。
マンションでは、各号室を買うと、もれなくマンションの共用部分の持分、敷地利用権の持分がついてきます。専有部分、共用部分の持分、敷地利用権の持分は3点セットで、登記上もこの3つは連動しています。●マンション管理方法
区分所有した建物の所有や管理関係には区分所有法が適用されます。つまり、区分所有法に従って管理を進めます。
さらに実際にマンションで管理を進めていくには、(1)管理組合、(2)規約、(3)集会、(4)管理者が必要です。(1)管理組合
マンションの管理は、区分所有者が協力して行う必要があります。そのための組織が管理組合です。管理組合とは、区分所有法3条で言う「管理を行うための団体」です。
管理組合は、区分所有の建物の場合、区分所有関係が成立した瞬間から法的には存在します。成立のために、特に集会や手続きなどを行う必要はありません。
マンションを買った人(区分所有者)は全員管理組合の構成員です。これは拒否できません。それは、管理組合がマンションを適正に維持管理し、そこで居住者がお互いに快適な生活をするためには、なくてはならないものだからです。(2)管理規約
個々のマンションで「ペットの飼育は禁止」、「事務所としての使用は禁止」、「管理費と修繕積立金はこのように負担しましょう」などのルールを決めたものが管理規約です。そこで、管理規約はマンション内の憲法ともいわれています。(3)集会(総会)
マンションでは大事なことは区分所有者全員が参加する集会で決めます。区分所有法で「集会」とよばれているものは、現実の組合運営では、総会と呼ばれています。総会で決まったことは規約に書いてあることと同じ効力を持ちます。総会には区分所有者は全員参加する権利を持ち、議決権を持ち、議案の決定に直接かかわります。例えば、規約の改正には3/4以上の賛成が必要です。建替えの決議には4/5以上です。
マンションでは、区分所有者が直接参加し、方針を決める民主主義体制となっています。(4)管理者
管理者は各マンションの管理の最高責任者です。多くのマンションでは、理事会の長、理事長が管理者になっています。区分所有者から選ばれる理事、理事会は執行機関としての役割が大きくなっています。●総会・理事会の危機!?
日本では、マンション管理は、世界に類のない、民主的な運営を確立してきました。しかし、大事なことを決める総会が成立しない、理事のなり手がないなどの問題も出てきました。
新たな管理方式を、管理組合・区分所有者の主体的・民主的・計画性を維持しつつ、考えるべき時がやってきたといえるでしょう。
(明海大学不動産学部教授
齊藤広子)













