ひと 実用化が研究のやりがい 温熱環境を研究する長谷工コーポレーション技術研究所研究員 山本 正顕さん
住宅新報 2010年8月24日 号 2面
次世代省エネ基準(平成11年基準)を満たす断熱仕様の研究。国土交通省が次世代基準を出した年、99年の4月、今の仕事に就いた。30歳を迎える頃だ。以来、専門は学生時代にも研究していた温熱環境。
「建築の中でも体感できる、身近に感じられるこの分野が好きだった」
02年には研究開発した、次世代基準対応の仕様が住宅品確法に基づく型式認定を取得した。09年度までに約1万戸で採用。日本初の長期優良住宅認定マンション、ブランシエラ浦和でも一部利用されている。現在も更に多くの物件で活用できるよう改良への研究を続けている。
『実験物が商品化されるのは仕事のやりがい』
「植栽のCO2削減量を数値化できないか」
09年5月に受けた依頼は印象に残る。マンション開発敷地内の植栽計画に反映させたいという設計者の考えが依頼の背景にあった。
植栽のCO2をどう計算するのか。ネットや文献の調査から開始。専門家の声も聞く。そこから計算式を仮定し、有効性を検証する。問題点があれば再調査し、フィードバックしていく。手探りの状態から単純なプログラムで計測可能という答えに行きついた。研究開始から1年、4月には設計者が実用できるプログラムになった。
このプログラムの実用化は通常、デザインとコストで決定される植栽計画に、省CO2効果という新たな評価軸を生むのではないか。こうした期待はもちろん更に大きな希望も抱く。
「マンションを建設する際には、騒音など地域に迷惑をかける。その時、例えば仮囲いに植栽計画によるCO2削減量を提示する。それを見た地域に暮らす方が、『マンションが建つことで自分の環境も良くしてくれる』なんてポジティブなものに変えることができたら」
風の吹く休日はウィンドサーフィン。学生時代になんとなく海で出来るものをと行き着いたスポーツだ。高校まで育ったのは神奈川県、藤沢。
「視界に海があるという環境が刷り込まれていたのかも」
(葭本
隆太)













