田原祐子が贈る 女性のためのキャリアアップ術! -頑張るあなたへのメッセージ-(22)
住宅新報 2010年8月17日 号 9面
仕事の選り好みは才能の芽を摘むことも
苦手な業務こそ成長につながります
私は、コンサルタントという仕事柄、ビジネスパーソンの皆様から相談を持ち掛けられることがよくあります。職場や仕事に関する様々な悩みをお聞きしていると、男性と女性では、少々悩みの内容が異なり、それぞれに特徴があるように感じます。
例えば、男性からは、「目標値が達成できないがどうすればよいか」「上司や部下とうまくコミュニケーションが取れない」といった、『組織の中で自分の力や能力が発揮できない』といった悩みを寄せられることが多いもの。対する女性の悩みには、「採用される時には、聞いていなかった内容(営業など)の仕事をさせられて苦痛だ」「会社や上司が、自分のイヤ(苦手)な仕事ばかりさせる」などという、少々困ったものもあります。
この連載でも何度かお伝えしているように、女性は自分に近いところに目が行きがちで、「自分を中心軸」としてとらえることが多く、「会社や組織を中心軸」ととらえる男性とは対照的です。とは言え、男性も女性も同じ人間ですから、無論「好き」「嫌い」はあるわけで、それを仕事に「持ち込むか、否か」「口に出すか、出さないか」の問題なのです。思わぬ発見、感謝も
仕事を選り好みしていると、自分で自分の才能の芽を摘んでしまうことにもなってしまいます。それは、得意でない仕事や気の進まない業務が、自分自身に、思わぬ成長をもたらしてくれることがあるからです。
実は、私も若かりし頃、在籍していた住宅経営コンサルタント会社で、担当業務が営業研修やコンサルティングなのにもかかわらず、上司に「チラシを作れ」と指示され、当時は、内心憤慨したものです。社内にデザイナーがいるのに、なぜ私がその仕事をしなくてはならないかが分かりませんでした。
しかし、命令ですから、仕方なくチラシを作成したとろ、レイアウトの法則やキャッチコピーの付け方など、いろいろな発見がありました。そして、この法則を踏まえてプレゼン資料を作成すると、それまでとは見違えるほどの出来栄えに自分でも驚いたものです。また、これがきっかけで、起業してからは、カタログやマニュアル、3Dソフトの企画製作が得意分野となったのですから、あの時、仕事を選り好みしなくて本当によかったと、今では感謝の気持ちさえ感じています。
また、「なぜ自分が専門分野以外の仕事をさせられるのか」といった、組織人としてはあるまじき物の考え方や傍若無人(ぼうじゃくぶじん)さに、当時は気付きませんでした。今となっては、よくぞ周りの諸先輩方が、私を許容してくださったものだと、恥ずかしくなってしまいます。
仕事の、「好き嫌い」や「向き不向き」を考えるなら、まずは、自分に与えられた目の前の仕事を、「心から感謝して精一杯やってみること」「その仕事を好きになること」を心掛けたいものです。
次回は、「仕事を俯瞰(ふかん)する」ということについて、お話しします。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













