これで宅建が分かる!(15) 発信主義と到達主義
住宅新報 2010年8月17日 号 8面
宅美
あー、夏真っ盛り。ちょっと暑すぎるけど、海にはいいですよね、宅じい。宅じい
こらこら、夏休みだからといって浮かれてるではない。宅建試験まであと2カ月しかないぞよ。宅美
もう、サイテー。でも勉強もしなくっちゃ。そうそう、先週「発信主義」「到達主義」が分かりにくかったので、その続きでしたね。宅じい
あまり、気乗りがしないのう。宅美
何でですか?宅じい
クーリング・オフはほぼ確実に出るから重要だけど、「発信主義」「到達主義」が規定されている民法の「申し込みと承諾」「隔地者間の契約」は試験に出る可能性が低いんで、あまり取り上げる意味合いがないのう。宅美
でも、契約において「申し込みと承諾」は基本でしょう。宅じい
そりゃそうじゃ。基本中の基本じゃ。宅美
だったら、そこは押さえておかなくっちゃ。宅じい
まあ、仕方がないな。さて、前にも述べたが民法では諾成契約と言って、口約束でも契約は成立する。宅美
そうですね。契約書は後々のための証拠みたいなものですよね。宅じい
然(しか)り。で、いつ契約が成立するかなんじゃが、民法では、意思主義といって通常であれば、その意思を表示した時から有効となる。じゃから、申し込みも本来なら「発信主義」のはずじゃ。宅美
つまり、モノを買いたいと申し込んだときに申し込み成立というわけですね。宅じい
ところが、意思主義の例外として申し込みの場合は、その意思表示が到達した時から効力が生じることになっておる(民法97条1項)。宅美
へー、なぜです?宅じい
こうして、直接会っていたり電話でやり取りしている場合には、申し込みと到達がほぼ同時なので問題はないが、離れた所にいる場合、これが隔地者間というやつじゃが、申し込みの意思表示が相手方に到達するまで時間が掛かるじゃろ。この時、相手方にしてみればどういう申し込みが来るか届くまで分からんな。宅美
それはそうですね。条件がついているかもしれないし。宅じい
そうじゃ。もし、発信主義にするとその間、動きの取りようがない。申し込みに拘束されている形じゃ。これでは、相手方に不利益を生じる。そこで、申し込みは例外として、「到達主義」をとっているのじゃ。宅美
なるほど、それが先週言っていたことですね。宅じい
そう。さて、来た申し込みに対して相手が承諾すれば契約は成立する。だが、遠い所にいる場合はどうじゃろう。宅美
その承諾が申込者に到達したときに契約成立、というのが原則ですね。宅じい
さよう。じゃが、承諾した人の立場に立って考えてみよう。既に、承諾したのだから、それが相手方に到達するまで無意味に待っている必要はないじゃろう?宅美
さよう。宅じい
真似せんでもいい。もし申込者が気が変わって契約を成立させたくなくなった場合、発信主義を取れば、申込者側の責任を追及できるが、到達主義を取ると、「いや、そんな承諾の手紙届かなかったよ」とシラを切られたりして、承諾者の保護ができにくくなってしまう。そういうこともあって、承諾の場合は発信主義をとっているのじゃ。宅美
なるほど-。宅じい
クーリング・オフの場合も、発信主義をとることで、契約意思が不安定なまま結ばれた契約を速やかに解除させようとする消費者保護の制度だということを頭に入れておいてくれればいい。ここは、そんなところで十分じゃ。ではまたー。













