子育てマンション --業界の新戦略に(中)
住宅新報 2010年8月17日 号 1面
働く女性をバックアップ企画しやすい分譲
分譲マンションの世界では、子どもがのびのびと遊べる敷地内公園やキッズルームの設置など、「子育て」に注力した取り組みは、賃貸マンションよりも企画しやすい。
数百戸規模というスケールメリットを生かした開発というアドバンテージがあるからだ。今となっては、共用部分に保育施設を誘致する取り組みも、さほど目新しいものではなくなりつつある。
そんな中、伊藤忠都市開発が中心となって開発した分譲マンション「クレヴィア京王堀之内パークナード2」(東京都八王子市)では、これまでにない「子育て支援マンション」を企画した。その最たるものが、「病児・病後児保育」に対応した施設を入れたことだ。
通常の保育園では、病気の子どもや入園中に途中で体調を崩した場合、対応が困難となるケースがほとんどだ。
そのような事態になれば、母親か父親が仕事を休むか、途中で切り上げて、子どもの世話をする必要が出てくる。そういった場合にでも対応してくれるのが、この「病児・病後児保育」だ。
「特に小さい子どもがいる世帯の反応が高い」と物件担当者は話す。病時保育も可能
同物件は、総戸数63戸と大規模開発ではないが、クリニックモールの運営機関や保育施設とのネットワーク構築により様々な企画を実現できた。1階に入った内科・小児科など5つの医院のうち、小児科に病児・病後児保育を併設。別棟に設けた認証保育所で急病人が出た場合も、その医師が往診する体制を整えた。
クリニックモールの事前予約システムの活用や年2回の健康相談など、住民にとっては保育以外にも様々な特典を受けられるメリットがある。家事軽減し、会話を
有楽土地など5社が、埼玉県戸田市で建設中の大規模マンション「グランシンフォニア戸田公園」(総戸数938戸)は、入居後の子育てサービスに力を入れる点が特徴だ。
ワーク・ライフバランス社の小室淑恵社長らの意見を取り入れた。コンセプトは「働くママのサポート」だ。
開発担当者である有楽土地の石井裕子氏(開発本部販売推進部長兼マーケティング室長)は、「働く女性へのインタビューを通して、もっと家族とのコミュニケーションを充実させたい、という声が多いことに気付いた。入居後もトータルでサーポートできれば」と話す。
サービス内容は、集会室を使った様々な講座が中心で、「時短家電・調理器具講座」「収納術講座」「時短料理教室」などがメーン。「家事の負担軽減」を目指したもので、「少しでも家事にかける時間を短くして、その分を様々な時間にあててもらいたい」(石井氏)といった考えだ。また、「お風呂で親子間のコミュニケーションを促進」「育児を楽しむパパを養成」というセミナーもある。
同物件には、家事の負担軽減を目的とした住設機器の導入や、夜9時まで運営する保育所も共用部分に予定している。
共働き世帯が増加しているなか、「時間の有効活用」を内容とする企画が、「子育て支援」というコンセプトに合致する時代なのかもしれない。
(福島
康二)













