三菱地所が実証実験 既存ビルに省エネ空調 県境配慮の輻射空調 消費電力を4分の1に
住宅新報 2010年8月10日 号 18面
新築のオフィスビルに比べて省エネ対応のハードルが高いといわれるのが既存ビルだ。そうした中で三菱地所はこの夏、既存ビルにおけるCO2排出量削減の取り組みとして、ヨーロッパで普及が進んでいるものの日本では初めてとなる省エネ空調「ハイブリッド型天井輻射空調システム」を東京・大手町の本社がある築50年を超える既存ビルに導入した。同社事業部が入居する約375平米のオフィスの一部に設置し、1年間にわたって環境技術の実証実験に取り組み始めた。
今回実証する輻射空調システムは、スイスのMWHバコールエアAG社が開発元。冷温水パイプを裏側に取り付けた金属製天井輻射パネルによる「輻射空調」で、料金の安い深夜電力を活用して夜間に建物躯体に蓄えた冷熱を微風速の旋回流によって循環させて室内温度を均一に調整する仕組みだ。気流(風)や騒音を抑え、ダクトスペースも極小化できるのも特徴だ。従来型の空調と比べると、約2度ほどの温度差があり、消費電力も4分の1ほどの削減を見込んでいる。
ヨーロッパでは、9.4%だった従業員の病欠率が4%にまで低下したという事例報告もあり、人体や健康にもやさしく、CO2削減と同時に知的生産性の向上にもつながる空調システムとして期待しているという。













