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スタンダード会員限定ニュースが分かる! QアンドA ネットの「おとり広告」はなぜ増える?

住宅新報 2010年7月13日 号 8面

管理能力超えた「情報」原因

 新規登録、更新時は成約確認を

 店長「社長、おはようございます。最近、インターネットで不動産広告の表示規約違反が増えているそうですから、当社のホームページや検索サイトに掲載する物件広告は特段の注意を払って取り扱うように心掛けます」

 社長「感心だな店長。うちはネット客が中心だから、表示規約のトラブルにはくれぐれも気をつけてくれたまえ」

 従業員「社長、店長、おはようございます。今話していた違反って何のことですか」

 店長「おとり広告って聞いたことがあるだろ。物件が存在していないため実際に取引できない物件や、物件は存在しているけれども実際には取引の対象にはなり得ない、あるいは取引する意思がない物件は、広告してはいけないと表示規約で決められているんだ。こうした『おとり広告』って呼ばれる物件広告が増えているんだよ」

 従業員「どうして違反が増えているんですか」

 店長「不動産表示規約はインターネットをはじめ、チラシや新聞広告、電柱ビラなど不動産広告すべてを対象にしているんだ。その中でも、インターネットが普及したおかげでネットの不動産広告が急増しているだろ。それと同じようにインターネットの『おとり広告』も同様に増えているそうなんだ」

 店長「不動産に係る表示規約・景品規約を運用している首都圏不動産公正取引協議会の記事が住宅新報に載っていただろ。……ああこの記事だ。昨年度、協議会が2572物件について調査を行った。そして表示・景品規約に違反する案件296件のうち、『厳重警告・違約金』が54件、『厳重警告』が2件だった。合計56件のうち40件、約7割がインターネット広告による違反が占めたということらしい。これは表面化した違反扱いの件数だから、潜在的な違反はもっとあるとみているようだな。まあ、氷山の一角ってところだな」

 従業員「具体的にどんな広告が違反なんですか」

 店長「ホームページとか不動産情報サイトなどの広告で、契約済みなのに物件を削除しないで更新を繰り返し、取引することができないのに長期間掲載したままになっているケースもあれば、賃料・礼金などの額を実際のものよりも安く表示して、表示の条件では取引できなかったりといろいろあるようだ。最近は架空の格安物件や契約済みの物件を意図的に値下げして広告している悪質なものも増えているみたいだ。君もホームページ担当なんだから、もっと情報収集して問題を起こさないようにしてくれよ」

 従業員「はい、大丈夫です。いつも店長に言われた通りにやってます。でもなぜそんなことが起きるんでしょうか」

 店長「コンピュータ業務に変わったことで、不動産会社が管理能力を超えて多くの物件広告をするようになったし、新規掲載や更新の時に物件の成約状況などを確認しないためなんだ。そのうえ業者にしてみれば更新日通りに作業していても一般ユーザーはリアルタイムの情報だと思っているから、こうした認識のズレも原因になっているようだ。協議会もこうした事態を重く見ているから、監視の目がますます厳しくなりそうだな。いずれにしても新規登録の時や情報の更新時には必ず物件の成約状況の確認を行うようにして、規約のルールに則って仕事しないといけないということだ。分かったかね、君」

 従業員「店長、それじゃあ、うちのホームページにまだ掲載している契約済み物件も『おとり広告』になるんじゃないですか?」

 店長「当たり前だ。削除し忘れただけだとしても、そういう広告は『おとり広告』としてみなされて当然なんだ」

 従業員「削除したほうがよくないですか?」

 店長「当たり前だ。君は一体何を聞いていたんだ。早くやらないか」

 従業員「でも、店長がそのままでも大丈夫だっていつも言ってたじゃないですか」

 社長「店長、ちょっと社長室に来たまえ」

 店長「当たり前だ。あっ社長、……」

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