コスモスイニシア テナント稼働維持してビル免震改修を実施 三井住友建設の技術で
住宅新報 2009年1月6日 号 4面
コスモスイニシアは「耐震改修促進法」の認定を取得し、JR津田沼駅前の10階建てオフィスビル(千葉県船橋市)で、テナントを稼働させたままの状態で免震改修工事を進めている。三井住友建設の免震構法を採用して進められている工事で、民間ビルで実施される例は珍しいという。
同ビルはコスモスイニシアが所有するSRC造及びRC造の地下1階、地上10階建てのオフィスビルで、敷地面積は1407平米。着工は80(昭和55)年、竣工が82(昭和57)年の旧耐震基準の建築物で、耐震化が求められていた。
一方、テナントには銀行や進学予備校、英会話学校など28のオフィスや店舗が入居し、賃貸稼働率は93%に達していた。そのため、工事の影響が全フロアにおよび、テナント稼働を一時停止する従来の耐震補強工事ではなく、建物を活用したまま改修できる三井住友建設の「免震レトロフィット構法」を採用した。
同構法による同ビルの工事の特徴は、工事対象区域を3階のワンフロアに留めた点。1、2階部分に入居している銀行店舗の営業を中止することなく工事を進めることが狙い。3階に入居していた2事業者は一時的に上の階に移ることで対応し、テナント全体への影響を最大限抑えた。
免震改修工事では、建物3階の柱27本を切断し、柱の中央に積層ゴム系免震装置を、梁下に粘性減衰装置を設置した。
粘性減衰装置を設置することで、極めてまれに発生する地震動入力に対しても3階の最大変形量を35cm以下にし、激しい揺れが起きても隣接する建物とぶつかることがないようにした。
工期は約8カ月間で、工事期間中も元のビルと同等の耐力を確保するために、3本1セット・9サイクルで柱を切断していくなど、安全対策を施した。
竣工は、3月中旬の予定。従来の一般的な耐震工事より4カ月程度短縮できるという。更に、地震による予想最大損失率PML値は工事前の20%から8%以下(耐震工事は15%弱)になるとしている。
テナントの移転費用が抑えられ、テナント稼働も維持できることから、従来の耐震工事と比べてコスト面でも抑えられたとしている。また、賃料水準の引き上げにも寄与できるとしている。
中古オフィスビルは特に都市部に目立ち、特に好立地で稼働率が高いエリアでは、ビル稼働を止めて工事を行うことが難しく耐震改修が進んでいないのが現状。同社で不動産再生のコンサルティングサービスを手掛けるアセットマネジメント事業部コンバージョン事業推進部では、同プロジェクトを機に、耐震改修を含めたオフィスビル再生事業に取り組んでいく方針だ。













