「社説」 住宅取得資金の贈与 資産税強化は「正義」なのか
住宅新報 2010年6月15日 号 2面
資産税が狙われている。相続税や贈与税について、11年度から課税強化の方向が検討されているからだ。代々受け継いできた資産、とりわけ不動産を子孫に継承することに黄色サインがともっている。主たる理由は「格差是正」。それが錦の御旗である。誤解を恐れずに、この方向は、果たして、いかがなものかと疑問を呈したい。
NHKで放送されている人気番組「ハーバード白熱教室」というのがある。同大学の授業「ジャスティス(正義)」を公開したもので、マイケル・サンデル教授が、ある時、ビル・ゲイツの時間給を披露していた。1日14時間働いたとして計算したものだが、なんと1万5000円だそうである。断わっておくが、1時間ではない。1秒当たりである。こんな富裕層には大幅に課税して、公平を期すのがいいのかという議論だ。ちなみに、この授業は市場原理主義の正義を考えるものであった。
我が国のケースに話を戻せば、現行の相続税は5000万円プラス1000万円×法定相続人数が非課税となる。法定相続人が2人なら相続人に7000万円以上の資産がなければ相続税はかからない。国税庁によると、05年の相続税課税人数は約4万5000人で、死亡者数約108万人のうちの4.2%でしかない。













