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スタンダード会員限定トラブルを未然に防ぐ! 不動産調査の実務ノウハウ(80) 敷地面積の「公簿と現況」 その違いの受忍限度とは?

住宅新報 2010年6月1日 号 6面

 愛知県岡崎市内において、売土地の広告に「公簿177平米(53.54坪)、価格3640万円、3.3平米単価68万円」と記載された物件を見た買主は、仲介業者を通じて「坪単価が安くならないか」と交渉し、「坪単価を65万円に値下げ」で合意して売買契約が締結されました。

 その6年後、住居を新築するために土地家屋調査士に依頼して土地を測量したところ、実測面積が167.79平米で、売買契約書に表示された面積177平米に9.21平米不足することが分かり、買主は売主に対して「売買代金の減額請求」の訴訟を提起しました。

 当時の購入の媒介契約書には、「土地の実測面積は177平米、公簿面積も同様」とあり、買主が実測図面を要求したところ、177平米と書いた公図の写しを交付され、重要事項説明書の実測面積欄は空欄、建築面積の限度欄には「敷地面積177平米×60%=106.2平米」、延べ床面積の限度欄には「敷地面積177平米×200%=354平米」とあり、売買契約書には、売買物件の表示として「末尾記載の通りとし、すべて面積は公簿による」との条項がありました。

 01(平成13)年11月22日、最高裁判所・井嶋一友裁判長は次のように判決しました。「いわゆる数量指示売買とは、当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数又は尺度があることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買をいう。売主と買主は、本件売買契約の代金額を坪単価に面積を乗じる方法により算定することを前提にして、その坪単価について折衝し、代金額の合意に至った。そして、本件土地は、市街化区域内にあり、小規模住宅用の敷地として売買されたものであって、面積は50坪余りにすぎないというのであるから、山林や原野など広大な土地の売買の場合とは異なり、このような零細宅地における開差5%を超える実測面積と公簿面積との食違いは、売買契約の当事者にとって通常無視し得ないものというべきである上、記録によれば、本件売買契約当時、当事者双方とも、本件土地の実測面積が公簿面積に等しいとの認識を有していた」「なお、すべて面積は公簿による、という条項自体は、実測面積と公簿面積とが食い違う場合に代金額の減額を要しないという趣旨を定めたものとはいえないし、そのような意味を有する旨の説明が業者からされたことなどもない。そうすると、本件売買契約は数量指示売買に当たり、買主は売主に対し、代金減額請求をすることができる」と。

 これは、「公簿売買であっても、坪単価の価格交渉による実測売買」とされた事例です。

 敷地面積の現況と公簿との5%を超える誤差については、敷地周囲の簡易計測により敷地現況図を作成することで、その現況を説明できる場合があります。また、坪単価の価格交渉の経緯がある売買の場合は、重要事項説明書の「敷地面積」記載欄に「公簿面積か実測面積かの別」を明記するなど、告知方法にも細心の注意が必要でしょう。(エスクローツムラ代表取締役・津村

 重行)

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