大言小語 シェアハウスと居酒屋の共通点
住宅新報 2010年6月1日 号 1面
町はどことなく寂れているのに、店に入ったら地元の常連客が大勢、和気あいあいと飲んでいる。この人たちはどこからやってきているのだろうと不思議に思えるほど、活気がある。ただ、この雰囲気は何かに似ている。
▼一つ屋根の下で共同生活をする賃貸住宅が、若い世代に受けている。シェアハウスのポータルサイトを運営している、ひつじ不動産が監修した「東京シェア生活」と題した本が、今年3月に出版された(アスペクト発行)。都内を中心とした15のシェア住居と、そこに住む人たちの暮らしぶりを紹介したものだが、従来のアパートや賃貸マンションとは異なる新しい住まい方が始まっていることを実感させられる。
▼日本に来て7年になるというカナダの学生さんの次の言葉が心に残る。「帰ってきたときに『お帰り』って言ってくれる人がいるのが、いいんですよね。(中略)この家で好きなのは、玄関の扉を開けるとガラガラっていう音が聞こえてくるところです」。家に帰るのが単に寝るためだけのものになってしまった日本。ベッドタウンという言葉は最近でこそ使われなくなったが、一度失ってしまった家族の団らんは簡単には戻らない。













