全国の中心市街地はいま にっぽん「地価一番」物語(13)和歌山県和歌山市・JR駅前 日本不動産研究所
住宅新報 2010年6月29日 号 24面
空洞化が進む城下町
中心部にまちおこし「特区」◇かつては「ぶらくり丁」
和歌山市は、かつて徳川御三家・紀州藩の城下町として栄え、近年では近畿圏南部の最大商業都市・重工業都市として発展してきた。97年には中核市に移行したが、市内の地価は引き続く人口減少や地域経済の停滞などのため低迷を続け、地価公示平均変動率は住宅地、商業地とも19年連続で下落している。
地価公示の最高価格地は、かつてはぶらくり丁商店街にあったが、中心部の衰退のため00年に玄関口であるJR「和歌山」駅前に移った。JR和歌山駅前は駅ビル(和歌山MIO)、近鉄百貨店)、中高層の店舗・事務所ビルなどが立ち並ぶ。今年1月1日時点の価格は1平米当たり50.7万円で、00年以降下落が続き、07年・08年に一時的に上昇したものの、その後は再び下落に転じている。
かつての中心商業地であったぶらくり丁商店街は江戸時代に始まり、県下随一の繁華街・歓楽街として繁栄してきた。しかし、近年は中心部の人口減少、郊外への大型商業施設の進出、大阪への商圏流出などの影響で衰退し、地域の象徴的な存在であった丸正百貨店をはじめ、映画館などが次々と閉店したことで更に集客力が低下し、今ではシャッターが閉まった店舗が目立つようになった。
現在、旧丸正百貨店跡地の再生(複合商業施設「フォルテワジマ」のオープン)、大衆演劇の劇場「紀の国ぶらくり劇場」の設置、更に和歌山元気まちおこし特区の活用による商業施設の誘致などの活性化策が実施されており、市民も中心部の再生を期待している。◇魅力のある店舗で
一度郊外に向いた人の流れを中心部に戻すのは簡単ではないかもしれない。だが、官・民の協力で、郊外にない魅力ある店舗などを増やしていくことによって、多くの人でにぎわう、かつての中心市街地を取り戻したいものである。((財)日本不動産研究所和歌山支所、不動産鑑定士・海野雅由)













