「古家(ふるや)の造作(ぞうさく)」 松岡英雄 新住まいのことわざ(20)
住宅新報 2010年6月15日 号 12面
古い家を増改築すると、予想以上にいたみや不都合な所が出て、手間と費用がかかるということ。見た目以上に手間がかかることのたとえ。また、手間と費用がかかる割には、見映えがしないことのたとえでもいう。
「造作」という言葉も、最近はほとんど使われなくなった。増改築という言葉が一般的である。リフォームという言葉もすっかり定着した。古家の造作も、今様に言いかえるなら、中古住宅のリフォーム、とでもいうのだろうか。
しかし、この費用、確かにバカにならない。テレビの「大改造!劇的ビフォーアフター」という番組を見ていると、新築したほうが安いのではないかと思われるくらい費用がかかっていることがある。もっとも、見映えはするように改造されてはいるが……。
昔は、平屋にあとから2階を増築する「御神楽(おかぐら)」という工法もあった。建築資金の都合、家族構成の関係などで、最初は小さく建て、あとで大きくする先人のやり方は、学ぶべきところもあるのだが、近ごろ、そんな工事をしている現場にお目にかかったことがない。豊かになったということなら結構なことである。
インターネットを見ていたら、昨年の民主党政権誕生直前の党人事で、「小沢代表・鳩山幹事長」から「鳩山代表・小沢幹事長」になったことについて、同じ顔が出てきて肩書が入れ替わっただけのこと、見映えがしませんねえ、と皮肉っていた。その2人が退陣した。古家の造作は駄目ということか。
(エッセイスト)













