アナザーアングル 住宅業界ニュースの行間を読む(42) 『工場廃止』の影響は 「冷静な分析」より重要に
住宅新報 2009年1月27日 号 3面
東京から大阪方面に新幹線で出張する時、今どの辺りだろうかと目印にしている場所がある。住宅業界関係者なら多くの方がご存じかもしれないが、関ヶ原を抜け琵琶湖に至る場所には、積水ハウスと積水化学工業(セキスイハイム)の滋賀工場が進行方向の右側に隣り合わせである。この辺りまで居眠りしているのだが、この2社の工場群が車窓越しに目に入ると、「取材に向けてそろそろ気合いを入れなきゃ…」となるのである。
両社の工場のうち、積水ハウスの工場が3月末で生産を停止し、廃止されることが発表された。住宅業界最大手である積水ハウスが生産ラインの縮小に着手することは、戸建て業界においても不況の影響が強く現れてきた象徴として、ある種の衝撃をもって業界内外に受け止められたはずだ。1961年操業という、積水ハウスで最も歴史のある工場だからなおさらである。自動車や家電の業界では、創業の工場を廃止するというのはあまり聞いたことがないので、強く注目されても致し方がないと思われる。
この工場を一度訪れたことがある。周辺は宅地化・都市化が進み、あまり工場用地には適さない環境になりつつあるように感じられた。この辺りが廃止に大きく影響した模様。このほかに施設の老朽化が進んでいたこと、更に生産能力も全体の約20%程度と比較的少ないことも、決定の理由のようだ。ところで、訪問したのは「住まいの夢工場」という体験学習施設の取材に伴ってのことだったが、その施設は今春をメドに京都府にある同社総合住宅研究所に隣接する場所に移転される。その事実を考慮すれば、既にずっと以前から廃止を前提に動いていたとも考えられ、景気悪化によるリストラだけが廃止の理由ではないようにも受け取れる。













