畑付き賃貸、満室稼働 埼玉県八潮にオープン 『戸建て感覚』も人気要因
住宅新報 2010年5月25日 号 4面
埼玉県八潮市でこのほど、畑付き賃貸アパート「フレンドリーテラス」が誕生した。最寄り駅から離れた立地にもかかわらず、満室稼働となっている。反響の理由は「畑」だけでなく、戸建て並みに充実した住宅スペックにもあるようだ。
物件は、2LDKのメゾネット型全6戸。各戸の南側に配した5坪の畑が特徴だ。住居部分との間に、土を落としたり野菜を洗ったりするためのスペースを設け、菜園活動に取り組みやすいよう配慮した。また雨水タンクを設置するなど、環境に対する意識の高い層への訴求力を強めた。
「畑付き」は、入居者とのつながりを重視する家主からの提案だという。総合プロデュースを手掛けた城北エステート(東京都足立区)の高木靖久代表は、「食の安全だけでなく、コミュニケーション手段の意味でも『農』への関心が高まっている」と指摘。家主の意向をくみ、ニーズが高いとみられるファミリー層をターゲットに設計した。
また「10年先を見据えた空室対策」(高木氏)として、居住性能の向上にも力を入れたという。設備面では、システムキッチンやテレビ付きインターホンなどを完備。戸建てと同等の住環境を目指し、収納スペースを各部屋で確保したほか、玄関とリビングをつなぐ廊下部分やベランダも十分な広さを取った。入居者からは、畑だけでなく「戸建て感覚で居住できる点が入居の決め手になった」との声も寄せられているという。総工費は約7000万円で、10年程度で回収できる見込みだ。
賃料は相場より1万円ほど高めの8万6000円(管理費込み、駐車場代は別)。最寄りの東武伊勢崎線草加駅からバスで7分という不便な立地条件だが、建築中の段階で入居が決まった住戸もあるという。入居者は新婚夫婦など、全世帯が若い世代。高木氏は「小さい子どものいる家庭もあるので、子育てで忙しい間は庭として使ってもらえれば。畑付きでも強制ではなく、無理のない範囲で取り組んでほしい」と話す。













