賃貸紛争防止条例 業者の9割が『理解』 東京都 貸主への啓発も検討
住宅新報 2009年1月27日 号 2面
04年10月に施行した「賃貸住宅紛争防止条例(東京ルール)」及びそれに基づく「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」について、宅建業者の90%が理解していることが、東京都の調査により、分かった。調査は、08年8月末-9月にかけて無作為に抽出した1000件の業者を対象に実施。273件の回答を得た。
同調査によると、条例及びガイドラインの目的・内容について43%の業者が「理解している」と回答。「ほとんど理解している」(23%)、「ある程度理解している」(24%)と答えた業者を含めると91%に上る。
また、「賃貸借契約書の特約(当事者間の特別な合意・約束)条項への関与(貸主との調整など)」については「すべて関与している」が41%。「ほとんど関与している」(31%)、「ある程度関与している」(16%)も合わせると88%の業者が関与しているという結果になった。同様に、「借主退去時の立会い及び敷金の返済業務」は35%が「すべて関与している」と回答。こちらも「ほとんど関与している」(36%)、「ある程度関与している」(14%)を含めると85%に上る。「大多数の業者が、契約の設定時や終了時に関与していることがうかがえる」(東京都)結果となった。
こうしたことから、渡邉誠・東京都都市整備局住宅政策推進部副参事は今後の周知活動について、「引き続き業者中心に行う。また、条例を解説したリーフレットの改訂も検討中」としている。
一方で、「貸主は条例・ガイドラインの目的を『理解している』と思うか」という問いに、「ほぼすべての貸主が理解している」と答えた業者は35%にとどまった。東京都はこれを問題視。「貸主に条例の内容について理解を促すという意味で、日本地主家主協会などを通じた啓発活動の実施も検討している」(渡邉副参事)と言う。
そのほか、アンケートでは、「特約」を契約に付す割合について質問した。特に東京都に苦情が多く寄せられる事項について聞いている。
それによると、相談数の最も多い「退去時のハウスクリーニング」は、54%の業者が「75%以上の契約で付す」と回答。しかし、「退去時の壁のクロスの張り替え」について、「75%以上付す」と回答した業者は10%。「退去時の床のへこみなど修復」についても、「75%以上付す」は9%にとどまった。
これについて東京都は、「特約を付す割合が少ないながらも苦情が多いのは、特約を付したか否かより、修繕費の額が問題になるからではないか」と分析する。
また、これら3つ以外の特約で重要と考えるものを聞くと、「ペットに関する特約」(8件)「たばこに関する特約」(6件)などが上位に挙がった。
こちらの対応については「ペットを飼ってはいけないなどという特約に対する違反は、原状回復の問題ではない。契約違反による損害賠償の問題になるという説明をしている」と言う。「原状回復」問題
国も審議開始へ
国土交通省は、1月13日に行われた社会資本整備審議会住宅宅地分科会で「民間賃貸住宅部会」(仮称)の設置を決めた。同部会は2月下旬から、賃貸住宅における新耐震基準化やバリアフリー化の促進策と同時に、原状回復をめぐるトラブルについて検討を開始する。
東京都が実施した同アンケートについて、国交省住宅総合整備課では「現状を知るための資料として、国民生活センターの相談数などの情報と共に利用する可能性がある」としている。













