キラリ☆わが社の星(41) YKKAP 齋藤 孝一郎さん(1)
住宅新報 2010年4月20日 号 9面
3月から住宅版エコポイント制度が始まった。この制度のおかげで、新築住宅はもちろん、特にリフォームを中心に盛り上がりを見せている。それ以上に注目したいのが、制度開始に伴い、開口部の断熱性や省エネルギー性に関して、一般の認知度が大きく高まっていること。需要の底上げ効果より、実はこのことの方が住宅業界にとって将来的にもメリットが大きいのではないだろうか。
さて、今回ご登場いただくのは、開口部の専門メーカー・YKKAPの技術開発部門に勤務する齊藤孝一郎さん(開発本部技術開発部技術解析室)。熱や省エネなど窓に求められる性能の研究を行っている。「居室内の熱の移動は、実に50%以上が窓が関わっています。窓は住宅の環境性能に直結する大切な部分です」と強調する。
齊藤さんの仕事内容は、例えばこんなこと。商品開発にあたり、実際に窓の性能を測定・解析し、断熱性能やCO2削減量、結露発生の状況などといった性能値を具体的にとらえられるようにするといったことだという。そのため、研究所(富山県黒部市)の施設だけでなく、神戸市にある実証棟や価値検証センターなどを活用。「同じ部屋を2つ用意し、窓を換えて暖房時と冷房時の建物の状態を測定したりしています」
同社でもエコポイント制度に対応する内窓商品「プラマードU」などを投入。内窓の販売が2月に前年同月比2倍となっているという。そうした販売面の好調さの陰には、齊藤さんのような存在、窓の性能や品質を裏付ける確かな研究成果があるというわけだ。グローバル視点で
ところで、実は当初、齊藤さんのお話を伺っていてピンとこない言葉があった。それは「グローバル」という言葉。齊藤さんの行うシミュレーションで窓の断熱性能を評価する研究には、「ISOの動きが背景にあり、実は歴史としては(ドアが先行して)15年ほどの積み重ねがある」という。ISOとは国際規格のこと。窓のシミュレーションは国際規格に準じており、「必ずしも日本は先んじておらず、ルール作りという点では欧米のほうが進んでいる状況なのです」
国際化=グローバル化の動きで優位性を得るには、窓の性能に関してグローバルスタンダードな評価法を確立することが大切。「私の研究は、世界をリードする性能規格を作るということでもあります」と齊藤さんは語る。
ちなみに、このようなISOを見据えた動きは、リビングアメニティー協会を通じて窓の評価プログラム「ウィンド・アイ」を公開するというかたちで、住宅業界にも広く役立っているという。窓の性能に関する話は、エコポイント制度というドメスティックな話にとどまらず、世界市場を見据えた話題であることに、齊藤さんの話から気付かされた。
(住生活ジャーナリスト・田中
直輝)













