大言小語 新たな希望の星、東京スカイツリー
住宅新報 2010年4月13日 号 1面
東武橋と京成橋、北十間川のほとりは今や東京・下町を代表する観光地である。平日でも家族連れや仕事ついでのビジネスマンらが、まぶしそうに天を仰ぎ、カメラをかざす。家族と一緒に映るように撮影者はかがんで構える。その横ではプロ顔負けの望遠レンズ付きや三脚での撮影ポイントを探す人の姿もある。
▼東京スカイツリー。東武鉄道グループが建設する世界一の高さ634メートルの電波塔。11年12月に完成、翌年3月に開業予定だ。3月末に東京タワー(333メートル)を超えて、4月8日現在、その高さは338メートル。これから高さはどんどんかさ上げされ、今後もスポットを浴び続けるだろう。現地では、数カ月前にはなかった新しい店舗など、地元に経済効果が出ていることも実感できる。
▼その建設風景はなぜか「昭和30年代」と重なるように映る。東京タワーの完成は58(昭和33)年。塔が高くなるに連れ、希望も大きくなった。貧しかったが、多くの人に夢や希望があった「古き良き時代」。その時代の一こまを描き出した映画もヒットした。
▼翻って今日の日本。バブル崩壊の傷が癒えないまま、世界金融危機の直撃を受けてもがいている。状況は異なるが、どん底からの脱却を目指している点は共通だ。東京スカイツリーには地域の活性化と共に、先端技術による産業振興の期待も掛かる。「新たな希望の星」として。













