新社長に聞く 日本土地建物 吉田卓郎氏 更なる飛躍に挑戦
住宅新報 2010年3月23日 号 20面
日本土地建物グループを11年間率いてきた中島久彰前社長(現会長)からバトンを受けた。「昨年10月の大型増資などで成長路線に一区切りつけた」(中島会長)タイミングでの若返り人事だ。吉田氏は09年5月にみずほ銀行常務から同社副社長に就任。コア事業である都市開発事業本部長とCRE(企業不動産)ソリューション本部長を担当してきた。福岡県出身で57歳。資産規模、人員共に拡大した日土地グループの更なる成長をどう図るか、その戦略を聞いた。
--社長に就任したときの感想は。「みずほ銀行時代に日土地グループを担当していて、この数年での成長、業容拡大には驚かされていた。中島会長のそうした偉大な功績を引き継ぐ立場になったわけだから、非常に光栄であると同時に身の引き締まる思いだ」
--大役を任されたのは、自分がどう評価されていたからだと思いますか。
「自分で言うのは気恥ずかしいが性格が前向きで、粘り強いところが買われたのかなと思う。高校時代にラグビーをやっていたときに身に付いた気がする」秋に7次長計を策定
--当面の最重要課題は何でしょうか。
「10年10月期が最終年度となる第6次長期経営計画を仕上げることだ。今期は経常利益約70億円を確保しようという計画だが、リーマンショック以降の影響があり満足しているわけではない。次の第7次計画に早速取りかかり、秋までに策定する。新計画では総合ディベロッパーとして10位以内を目指したい」
--具体的戦略は。
「当社が10年近く前から取り組んでいるCRE戦略を更に強化していく。これまでは大企業向けが中心だったが、今後はマーケットが広い中堅企業にも拡大したい。オフィスビルなどの省エネ化に関するコンサルティングを手掛けている清水建設などと連携して、環境時代にふさわしい価値あるソリューション(解決策)を提案していく」
--金融業界から不動産会社のトップに転身したわけですが、不動産業界に対する印象は。
「私は銀行時代、中小企業を対象に不動産ファイナンスチームを担当していた。不動産と金融はもともと密接な関係にあるので違和感はない。むしろ、金融系総合ディべロッパーとしての強みを、どう発揮していくかが重要だと感じている」
--現下の不動産市場をどう見ていますか。
「リーマンショック以降の金融収縮が大きく響いて市場は停滞を続けたが、今年は徐々に回復するだろう。特に東京マーケットは年央には底を確認する動きが期待できる」
「そのためにはオフィスマーケットの回復が重要になる。究極的には東京が上海やシンガポールなどとの競争に勝てるかどうかがポイントだ」
--マーケットの回復が期待される中、新社長として日土地グループをどのような組織にしていきたいですか。
「当社の最大の強みである専門性と技術力を一段と高めていきたい。企業が成長するためには何といっても宝となる人材が必要だ。我が社の社員は仕事に情熱を持って取り組むだけでなく、各自の専門性を伸ばそうという気概がある。一級建築士や不動産鑑定士などの有資格者も多い」
「日土地グループは中島会長が率いたこの10年で総資産は1800億円から5500億円に、社員数は180人から700人に増えている。財務力も強化された。更なる飛躍のための準備は整っている」
--リーダー論が盛んですが、経営トップに最も必要な資質は何ですか。
「仕事に対する誰にも負けない情熱だ。そして自ら決断して実行する行動力だと思う」
(聞き手・本多
信博)
プロフィール=76年東大法学部卒、同年4月第一勧業銀行入行。02年みずほ銀行本店長、07年同行常務取締役。好きな言葉は「得意淡然・失意泰然」、趣味はテニス、ギター、ピアノ。













