ひと 日本経済から住まいまで ライフネット生命保険社長 出口 治明さん
住宅新報 2010年3月23日 号 2面
持ち家政策は終わった
08年5月開業以来、新契約数が毎月平均約8%も増えている。
ネット直販のためシンプルで分かりやすい商品しかない、セールスレディも店舗も置かないから従来よりも保険料が大幅に安いことなどが魅力だ。
週刊ダイヤモンドや日経ヴェリタスの「プロが入りたい保険(死亡保障部門)ランキング」第1位にも輝いた。
日本生命保険出身。国際通で独自の世界・歴史観を持つことでも知られている。
3月16日、不動産関係者による勉強会「青山の会」(第189回)で講演し、日本経済と不動産市場の将来を語った。
「日本は高齢化した国だから、お金に働いてもらう<高金利・高通貨(円高)>政策が常識。それなのに低金利・低通貨政策に固執している。理由は異常な借金を国が抱えているからだ」
「年をとっても体を働かさなければならない構造だから、日本社会が豊かになれない」と喝破している。
「財政赤字と並んで、日本経済の成長を阻んでいるのが少子高齢化だ」と断言。「人口が減って栄えた国、都市、地域は一つもない」
女性が子供を産みやすい社会にするとともに、大胆な移民政策で外国人の流入を増やす政策が急務だと語る。
「人口を増やす方法はほかにもある。世界で10位以内に入るようないい大学をたくさんつくることだ。そうすれば世界の若者が留学するために日本にやってくる」
「もし、政策転換ができず、人口が減り続ければ住宅は更に余る。余った住宅を東京に持ってくることはできないし、経済が成長しなければ人口が地方から都市へ流入するのは必然だから、地域間格差は拡大するばかり」
論理が明快で、説得力は群を抜く。
「持ち家政策(の必要性)はもうとっくに終わっているのではないか。住宅の基本コンセプトは『心地いいねぐら』だが、心地良さはライフスタイルに応じて変化するので、家具つき賃貸住宅がこれからの主流になる」
三重県出身、京大法学部卒。61歳。
(本多
信博)













