1面関連・地価公示 団体・各社コメント
住宅新報 2010年3月23日 号 2面
成長戦略実現を
岩沙弘道・不動産協会理事長
昨年12月に「新成長戦略」が閣議決定され、国土交通省でも成長戦略会議において「住宅・都市」分野が柱の一つとして精力的な議論が重ねられている。政府には戦略実行のため具体的施策の早期実施をお願いしたい。我々も国家的な要請である「国際競争力のための都市の機能の更新」、「良質なストック形成のための住宅・都市整備」、「低炭素社会への移行のための都市環境性能向上」などの観点から、新成長戦略の実現に向け努力して参りたい。経済回復が立ち遅れ
伊藤博・全国宅地建物取引業協会連合会会長
年間の変動率は前回よりも下落率が大きく、日本経済の回復が立ち遅れていると認識している。平成22年度の政府税制大綱で、適用期限を迎える各種税制の特例措置の延長や住宅取得資金に係る贈与税の非課税枠の拡大という成果を獲得できた。緊急経済対策で、住宅版エコポイント制度や「フラット35」Sの金利の大幅な時限的引き下げも盛り込まれた。今後は、本会の研究成果を踏まえ、地価の安定・健全化と住宅不動産の流通促進に資する施策について関係機関と連携しながら提言活動を展開していく。後半の下落率縮小に注目
川口貢・全日本不動産協会理事長
全国ほぼ全地点で前回に引き続き下落となっており、地方圏よりも三大都市圏の方が下落率が大きくなった。しかしながら、昨年前半よりも後半の方が下落率が縮小傾向にあることに注目したい。景気の二番底の懸念の後退と贈与税の非課税枠の拡大が購入意欲を刺激して、徐々に需要を後押ししていると思われる。住宅版エコポイントが更なる需要を喚起することに期待したい。既存市場は回復傾向
大橋正義・不動産流通経営協会理事長
地価下落の背景としては、我が国経済が世界的な金融危機の深刻化や世界同時不況の影響から脱することができず、デフレ状態に陥っていることを如実に反映したものと考えられる。不動産流通市場も低迷した状況になっている。ただ、半年ごとの変動率は、三大都市圏では住宅地、商業地とも下落率は縮小しており、やや明るい兆しも見えつつある。首都圏の既存住宅流通市場でも取引件数は回復傾向にある。今後、この明るい兆しを確かなものとし、地価の回復、安定化のためには、何よりも着実で自律的な景気回復が喫緊の課題であり、内需拡大の柱となる不動産市場の活性化が不可欠である。金融市場が安定へ
木村惠司・三菱地所社長
不動産投資市場は未だ低迷しているものの、金融市場が安定しつつあることから、レンダー、投資家ともに徐々に姿勢を改善させている。分譲マンション市場は実需層を中心に回復傾向にある。事業者が土地を仕入れる動きも見られ、今後は新規供給が増える見込みである。オフィス市場は空室率の上昇傾向が続いているが、実体経済の回復傾向に伴い年内に回復することを期待している。投資環境の整備を
畑中誠・東京建物社長
新政権が発足し半年が経過したが、経済成長戦略の具体策が未だ不透明である。地価が正常に戻るためには日本経済の回復、不動産市場の安定化が不可欠であり、そのための税制支援、規制緩和、投資環境の整備を実施していくことが望まれる。住宅市場は改善傾向
金指潔・東急不動産社長
政策的後押しや国民の住宅取得に対する関心の高まりで、住宅市場は改善傾向にある。そのため、各社とも新規用地仕入れに注力しつつあり、都市部の人気エリアでは用地取得熱から地価の下落幅が縮小や下げ止まる動きが見受けられる。ただし、所得や雇用に厳しさもあり、住宅市況の回復が本物かは不透明感もあり、地価も一部地域での下げ止まる動きが他のエリアにも波及するには、今暫らく時間を要すると思う。年後半、底堅さを反映
鈴木弘久・野村不動産ホールディングス社長
分譲住宅市場においては、マンション供給量そのものは減少したものの都心近郊の成熟した住宅地などにおける需要の底堅さを実感している。販売価格の調整も進み、またローン減税の拡充や贈与税の非課税枠拡大などの税制措置が実需層の動きを活発化させ、販売物件の早期完売事例も増加している。不動産投資市場でも、不動産市場安定化ファンドの創設やJリートの合併・再編が実現したほか、一部の銘柄では公募増資が実施されるなどマーケットの信頼は回復しつつある。今回の地価公示における年後半の下落率の縮小も、このような不動産市場の動きを反映したものと思われる。景気に底打ち感
森章・森トラスト社長
金融危機を端緒とする実体経済の急速な悪化により、日本経済は依然として低迷状態にあるが、ようやく市場に動きが戻りつつある段階まで回復している。ミニバブルの様相を示していた東京都心部や大都市圏の中心部ほど大幅な価格調整が必要となっているが、景気の二番底懸念が薄らいでいる中、底打ち感に伴って資金やオフィス市況も動き始めており、地価の急落にも鈍化傾向が見られる。













