ひと 中小ビルの競争力向上を 中小ビル経営者研究会代表を務める東山興業社長 猪股徳臣さん
住宅新報 2009年1月20日 号 2面
中小ビル特有の問題を取り上げて、少しでもその経営が良くなるようにしたい--。そういう思いで、「中小ビル経営者研究会」の代表を務める。
東京のオフィスビルの過剰供給が心配された「2003年問題」。これをきっかけに、02年に東京ビルヂング協会内で研究会が発足した。
研究会では、中小ビルの空室情報サイトの立ち上げや、共同購買サービスの構築、防災ポケットブックの作成などで、中小ビルオーナーやテナント企業・その従業員の利便性を高めてきた。
以来、北海道や大阪、神奈川で、同様の研究会が発足している。
08年には、中小ビルの経営者ができる地球温暖化対策として、テナントに地球温暖化防止への意識を高めてもらうためのツールを作成。CO2の見える化を図り、テナントの意識変革を促した。全国の中小ビルの経営者に向けて配布している。
「中小ビルの競争力をつけ、顧客であるテナントの満足度をいかに高めるかが課題だ」と語る。
自身は日本橋中央通り沿いにある「東山とうざんビルディング」を運営。祖父の代から受け継いだ築50年の味わいのあるビルだ。祖父の命名で、社名の東山興ひがしやま
業とは違う読みをあてている。
東山ビルでは、警備や技術を外注しない。自社の社員による「暖かみのある管理」がテナント満足を高めている。お馴染みの警備員による「いってらっしゃい」「お帰りなさい」というあいさつも競争力の源泉だ。
行き届いた清掃も重視している。清潔であることは一番に掲げるサービスで、清掃業者の仕事を第三者機関に厳しくチェックさせている。
「中小ビルは大手のまねをしないことが大切」。例えば、市況が良くなったときに賃料を一気に増額しない。「大手とは違い、賃料は少しずつ上げる。そうしないと、しっぺ返しがある」という。
「空室はなく、空いてもすぐに埋まる」
競争力の秘訣を研究会で共有していく。
ビル経営管理士。62歳。
(遠藤
信明)













