大言小語 居住福祉の発想が不可欠
住宅新報 2010年3月16日 号 1面
「お年寄りが一番困るのはきれいな公衆トイレが少ないことです」「若い人にはわからないでしょうが、公衆トイレがないと外に、まちに出られないのです」
▼日本居住福祉学会会長・早川和男さんの言葉だ。都市の再生を考えるとき、そうした居住福祉の発想が欠けているとの指摘だ。これは高齢者だけの問題ではない。仕事でも観光でも、見知らぬまちに行って「肝心の場所」で難渋・切迫した経験を持っている人は多いはずだ。そうした経験から、必ずその場所を確認して行動する癖がついた人もいる。
▼公共交通や公共施設のバリアフリー化はかなり進んだが、それより切実な「問題」は目に見えて進展したとは言えない。むしろ、地下鉄などの駅構内では、車椅子対応のエレベーターの設置工事などが続いているため、「肝心の場所」が移動したり、使用中止になったり。過渡期とはいえ、現実は厳しいままだ。













