賃貸住宅市場動向 「一段と厳しい」 地域事業者
住宅新報 2010年3月2日 号 5面
学生獲得の競争激化
じっくり選ぶ傾向も
「今までになく厳しい」
地域に密着する事業者からはそんな声が聞かれる。
東京都立川市で賃貸事業を手掛けている坂口有吉不動産の坂口久夫社長も「集客・成約ともにガクッと落ちている」と話す。更に「深刻なのは希望家賃の単価が下がっていること。例えば『5万円で2DKの物件を』といったないものねだりが目立つ」と嘆く。
北九州エリアで7店舗を展開する不動産中央情報センターでは、昨秋から住み替え需要を発掘するため紹介キャンペーンを実施している。同社の濱村美和社長は「キャンペーンの成果もあり、1月の来店は前年比で横ばいとなったが、2、3月は予断許さない」と厳しい分析をしている。
景気低迷を背景に一般の住み替え及び法人需要が減退し、賃貸住宅市場は厳しさが増している状況だ。
そうした中、ボリュームが大きく、即効性のある集客が期待できる学生向けキャンペーンを強化する動きが活発化している。
熊本県で賃貸事業を手掛ける明和不動産では、若者向けの雑誌などを発行する出版社と連携し、デザインを重視したフリーペーパーを4万部発行。エリア内の進学高校に配布したほか、国公立大の合格発表に焦点を合わせ「ガンガン配ってアピールしていく」と川口雄一郎社長。一気に囲い込みを図りたい考えだ。
不動産中央情報センターでも、学生向けにクロスなどに貼って自分好みの部屋に模様替えできるインテリアステッカーを200セット用意し、プレゼント。女子学生に好評だという。加えて、大学と協働したリノベーションコンテストや座談会なども開催、学校とのパイプを強くする戦略も講じている。ネットの書き込みで在校生がアドバイスも
同社のエリアでは、不況を背景とした自宅通学生の増加や大学生協に学生が流れる傾向も顕著だという。情報収集手法も変わり、ミクシィに代表されるソーシャルネットワークサービスを活用し、在学生の書き込みなど、クチコミを頼りに業者を選ぶ例もある。供給者の情報発信の在り方にも変革が求められそうだ。
首都圏を中心に学生マンションの開発・管理を手掛ける毎日コムネットは「例年になく厳しいとの声が現場から上がっている。時間をかけて決めているようだ」(同社総合企画部)という。同社では、昨年と比較して上京する学生の数に大きな変化はないと推測しているが、学生争奪の競争は激化していると分析。新たな施策として首都圏10カ所にモデルルームを展開し、集客を強化、今後の成約に期待を寄せている。
同社が管理する学生マンションは4月時点での満室稼働を4年連続で達成しているが、「楽観はできない状況。プライドにかけて5年連続を達成したい」(同)。













