リフォーム業界にじわり広がる 『本物』素材のネットワーク SHIP 「はいからモダン物語」
住宅新報 2010年3月30日 号 4面
リフォーム事業者支援に特化したビジネスを展開するSHIP(東京都文京区、小松信幸代表取締役)。05年に自然素材の利用を促進するブランドを立ち上げ、このほど加盟会社は120社を超えた。建材販売のほか、知識を身に付けて顧客への提案に生かすための研修も多数用意し、素材で差別化を図りたい事業者の注目を集めている。
同社は01年に設立された。リフォーム専用CADシステムの販売に始まり、現在はコンサルティング、経営者向けセミナーも手掛けるなど、リフォーム事業者をサポートするメニューを幅広くそろえる。その1つとして、素材にこだわった建材ブランド「はいからモダン物語」を5年前に立ち上げた。
ブランド名は、大正時代の建築物に使われた左官材に由来する。旧満州産のマグネシウムとニガリを混ぜ固めたもので、約80年にわたって建物を維持する源となった建材だ。これを用いて開発したのが、珪藻土(けいそうど)塗り壁「はいから小町」。塗り壁の弱点である割れやすさを解消し、調湿性能はJISで定められた基準の3倍を超える。大正の素材を復活させ改良を重ねた結果、今では「絶対の自信を持ってお勧めしている」(同社清水雄輝取締役)、ブランドの看板商品だという。
このほか、扱う建材はいずれも化学薬剤を含まず、天然の素材が原料だ。内装用のりは小麦やタピオカなどの食品から作られ、口に入れても害がない。機能性、安全性の観点からあくまで『本物』を追求し、単に「自然素材」を掲げる風潮とは一線を画す。
一方で、自然素材のネックと言えばコストの高さだ。「はいから」も例外ではなく、塗り壁の1平米単価は6000円(施工費込み)。だが、「合板フローリングは10年もたてば塗装がはげるが、無垢(むく)材で施工した床は確実に3倍長持ちする」(清水氏)というように、維持費を含めたトータルコストで考えると安いとの見方もできる。何より、健康な住まいという最大のメリットに反応する潜在ユーザーは多い。清水氏は、「自然素材について『興味がない』『知らない』という層に選んでもらうには、建材を売り込むスタンスではだめ。提案する理由をしっかり伝え、考えに共感してもらうこと」と話す。
とは言え、「質の高いものを少しでも安く」が時代の要請。同ブランドでも時流に合わせ、1平米単価500円(材料費のみ)の左官材料を近々発売予定だという。月に数社ずつ加盟会社を増やし、着実に輪を広げているようだ。













