キラリ☆わが社の星(33) トステム 佐藤 誠さん(1)
住宅新報 2010年2月9日 号 7面
商品開発への流れを一変
今、住宅のあらゆる分野で作れば売れるという時代でなく、また売れる商品の開発を目指しても、そう簡単に消費者の購買意欲を刺激できない。どんなに消費者の意識を分析して開発し営業の企画を練った商品であっても、結局のところプロダクトアウトの発想から逃れられていないケースも多い。
住設・資材メーカーの大手・トステムでもそうした状況に変わりがなかったようだ。そこで、全社的に「シンプルイノベーション」(シンプルで分かりやすい商品群の開発)という、統一コンセプトを模索。その第1弾商品となったのが、今回ご登場いただくトステムの佐藤誠さん(商品本部住器・建材事業部開発部キッチン洗面グループ課長)が、リーダーとして携わり誕生したシステムキッチン「ヴィートワン」だ。
普及タイプを全面的にフルモデルチェンジして、昨年6月に発売。特徴は、同じ間口のベーシックプラン内で何を選んでも同一価格としたことだ。例えば売れ筋のI型ベーシックプランの場合、どの扉カラーを選び、キッチンカウンターや吊戸棚の高さを変更しても、一律80万円の価格設定。IHクッキングヒーター、ガラストップガスコンロのどちらを選んでも価格差はない。「(6シリーズ26色、人造大理石の採用などといった)スタイリッシュさとワンプライスの両立によるシンプルさを実現できた」と佐藤さん。分かりやすさで消費者に高い評価
他社の商品を含め、従来の商品であれば、価格が5-7段階程度と幅が出るのが一般的。しかも、施主の要望により扉のカラーを変更するだけでも、その都度見積もりの変更が必要になり、それは流通の現場における作業の増加、更には施主にとっても価格が分かりにくいというストレスを強いることになっていた。こうなると、他社との差別化は難しくなり「どれも同じ」となってしまう。
ヴィートワンは、従来の商品開発の流れを一度リセット。「(システムキッチンを構成するカラーなどの要素について)従来商品が100だとすると、ヴィートワンは売れ筋の20にまで絞り込みました。しかし一方で顧客のニーズも7-8割をカバーできます」。各構成要素の選択の幅は狭まったものの、施主はどのように選択しても価格が一定であるため、逆にコーディネートのバリエーションが増え、選びやすくなったというわけだ。
また流通などのプロユーザーにとっても、一発で価格を決められるようになり、見積もりの簡素化、作業の大幅な効率化が図れるようになった。
実際に走り始めてから約半年。「シンプルさが市場にどう評価されるのかプレッシャーがありましたが、計画以上の売れ行きです」と佐藤さんは胸を張る。
(住生活ジャーナリスト・田中
直輝)













