ひと 世界に指標を発信 IPDジャパン マネージング・ダイレクター 西岡 敏郎さん
住宅新報 2010年2月9日 号 2面
大学院を卒業し、バブルの真っ最中、日本不動産研究所に入所した。2年目で不動産鑑定士の資格を取得したが、当時の不動産価格は、収益還元法で説明できない動きをしていた。
日本の不動産に疑問を抱いていたおり、家族とともに留学できる制度を活用して、92年にイギリスに留学。不動産鑑定のプロを養成するカレッジで学んだ。
そこでIPDのインデックスに出会う。
イギリスは93年頃から不況に入った。不動産は機関投資家のコア・アセットになっている。不況期には、なぜ不動産が下落したのか、投資家に説明する責任が大きくなる。そこでIPDの不動産インデックスが、大いに役立っていることを目の当たりにした。
不動産のリターンとリスクをデータで把握していく。「日本でも、そのようなデータが作られる日が来るのではないか」
94年秋に修士を取得した後、IPD社でインデックス作成のトレーニングを受けた。
帰国後、不動産研に日本でのインデックス作成を提案した。業界で定番になっている「全国賃料統計」や「投資家調査」はその時の提案の成果だ。
01年にIPDに移籍。ロンドンを拠点に活動し、日本の理解者の支援を受けて、03年に日本法人を作った。
Jリートの個別物件の鑑定評価をベースに、IPDのインデックスを作成し、毎月発表している。01年以来、9年間のデータが積み重なった。
世界の不動産投資家は、IPDのインデックスを見て投資判断をしていると言われている。外国では、デリバティブ取引のベースになるほど信頼性の高い指標だ。
もし日本でのデータがなければ、投資家にとって日本の不動産の状況が他国と比較できなくなる。その仕事の意義は極めて大きい。
ミッションは、「マーケットの透明性を高める」こと。「日本の不動産市場は、世界の5本指に入る。グローバルな意味を持つ日本のデータを作り続け、世界に発信していきたい」
(遠藤
信明)













