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スタンダード会員限定森田博子--キッチン・収納 現場の『すご腕』 第8回 重いものは下、軽いものは上 原則を守り安全に配慮

住宅新報 2010年2月16日 号 11面

 私は年に数回、ドイツやアメリカなど海外へ旅行をします。1週間から10日程の旅の身支度は大き目のトランクには入りきらないほどです。洋服は型崩れしないように、皺にならないようにと気を遣いながら、隙間なくトランクに詰めるのが、実は楽しみの1つです。トランクに上手にモノをしまう基本は、底に重いものを、そして上には軽いものを置きます。運ぶ時にバランスがよく、安全でしかも軽く感じるのです。実は、収納と同じです。収納のコツを、旅行カバン詰めにも応用しただけです。

 どこの家庭でも、収納庫を見ると、ビール瓶や重い調理器具などは下に置いてあります。重いものを高いところから降ろすのは大変だし、危険です。重いものでも、下にあれば安全で取り出しやすいからです。上には、密閉容器やラップ類など軽いものを置いています。取り出しやすく、落ちたとしても、危険が少ないからです。

 こうした安全に配慮する一番の理由は、地震など災害時への備えです。少しでも重いと感じたら、顔よりも低いところに置くことが原則です。「重いものは下」という原則を守っている限り、安全性は高まります。

 それでも落下物に不安があるという家庭では、扉とキャビネットをつなぐ「耐震ラッチ」で固定します。万が一に落ちても、扉で防御してくれます。また、扉を閉めると同時に鍵がかかる仕掛けのついた金具を取り付けることをお勧めします。耐震だけでなく、小さな子どものいる家庭では安全のために必要かと思います。子供が勝手に扉を開けて、包丁や卓上コンロなどの危険物を取り出さないために使われています。

 収納は、旅行のトランクと同じです。安全に保管すると同時に、出し入れが簡単であることが大切です。

 写真(住宅新報本紙に掲載)は、既存の奥行きの深い食器棚の下段に漬物の壷を収納したものです。大きく重いために、出し入れが厄介ですが、食器棚の内側にスライド棚を取り付けたことで、漬物の手入れや取り出しがスムーズにできるようにしました。(もりた・ひろこ=キッチンスペシャリスト)

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