トップインタビュー 常日頃(28) チューリップ不動産社長 水谷 紀枝氏
住宅新報 2010年1月26日 号 9面
女性専用の共同生活型賃貸住宅を手掛けて、今年9年目を迎える。『シェアハウス』という言葉を商品名として最初に使った企業としても知られる。創業当時の苦労話やエピソードを語った自著「シェアハウスで蘇る!不動産新ビジネス」(ロコモーションパブリッシング発行)を出版して、一気に業界での知名度を上げる。それに伴い業績も順調で現在9物件を管理。年内には15前後まで増える可能性があるという。好調の要因を聞いた。シェアハウスの名付け親
頑張る女性の『屋根』になる
--昨年5月に本が出ました。反響はどうですか。
「いろいろなマスコミに取り上げていただいたおかげで、家主さんや不動産会社、投資家などからの問い合わせが増え、事業拡大につながった。いまも多いのが、賃貸物件を所有しているオーナーから、シェアハウスとして運営してもらえるかといった相談だ」
--通常の賃貸住宅は今、空室に悩む物件が多いですが、シェアハウスの市場は今後も成長を続けそうですか。
「そこはどうなるか。決して楽観はしていない。あくまでもニッチな市場だと思うし、一歩一歩慎重に進んでいこうと思う」
「シェアハウスやゲストハウス市場の現状を分析すると、これまでは大きく2つの流れがあった。1つは外国人専用、あるいは日本人も受け入れるタイプのもので、いずれも国際色をコンセプトにしている。もう一つが日本人だけを対象にしたもので、女性専用、男女ともOKなど様々なタイプがある」
「マーケット全体としてみると黎明期が過ぎ、今は概念の多様化と混沌化が進んでいる。投資対象にするという流れも出てきた」
--投資対象とすることについてどう思いますか。
「共同生活型というのは、簡単にいうと昔からある下宿屋のようなもの。家主と借家人との人間的信頼関係が基盤で、町の片隅でひっそりと営まれるべきものといった雰囲気がある。ところが、近年のブームを背景に投資対象としてとらえる動きが出てきた。そういうグループは物件の順法性や利回りは重視するものの、肝心のコミュニティ育成にはあまり関心を示さない傾向がある」
--女性限定にしている理由は。
「社会に出る女性に自信をつけて欲しい。それには成功体験があればいい。なんでもいい。思い切って飛び込んだシェアハウスで、うまく共同生活に溶け込めたということでもいいと思う」
「自信がない人間は、外部からの理不尽を跳ね返すことができず、ストレスを自分の中にためこみ、そのはけ口として自分より弱い者にそのストレスをぶつけてしまう。この世の中で最も弱い者、それは子供だ。子供にだけはストレスをぶつけることがないように、ママ候補の女性たちを応援したい」
--シェアハウスでは良い友人をみつけることができたり、資格を取るための勉強をみんなが励ましてくれたりなど、新しいコミュニティの形態が生まれつつありますね。
「自信を持つキッカケの場を提供したい。一人前の社会人になろうとして頑張る女性の『屋根』になりたい。もともとゲストハウスやシェアハウスの利用者の70%が女性だ。男性は見ず知らずの人たちとコミュニティを作るのが苦手。だから女性限定というだけでは差別化は難しい。これからは、そのうえでどんなサービスを付与していくかが勝負になるだろう。たとえば保険サービスなども充実させていきたい」
--最後に、これからの予定を聞かせてください。
「従来とは全くことなる次世代型シェアハウスを企画している」
--というと。
「企業秘密」
(聞き手・本多
信博)<会社概要>所在地=東京都中野区新井1の27の1電話=03(5318)3620
営業時間=10時-18時社員=5人













