不動産からの景気回復(下) 更なる減税策を
住宅新報 2010年1月19日 号 2面
少子化対策と国際化で『人口増加』確信させよ
民主党政権になり、これまでの租税特別措置がどのように扱われるのかいくばくかの懸念もあったが、総じて杞憂に終わった感がある。基本的に従来の路線を踏襲しており、住宅・不動産への需要が喚起されるような措置が拡充されることも決まった。業界団体も概ね評価している。
住宅・不動産への減税措置は、前回述べた金融緩和や規制緩和と並び、不動産からの景気回復に寄与する大きな要素の一つである。
財政事情が厳しい状況下で、景気刺激策となるのが減税である。
不動産の取引を減速させる要因となる税として、まず不動産流通税を挙げることができる。
関税をかけることで輸入を抑制できるように、不動産取引時に関所を設けて取引を抑制する機能を持っているのが登録免許税と不動産取得税だ。
輸入の抑制は国内産業の保護などの目的でなされることもあるだろうが、現在のようなデフレの時代に不動産取引を抑制しなければならないような事情は存在しない。登記時の登録免許税は手数料化し、不動産取得税は撤廃すべきである。
更に言うと、特に住宅に限っては土地についてそうしているように、消費税も課税しないよう措置すべきであろう。
こうした住宅・不動産への減税措置は需要を大きく喚起させ、資産価値の上昇につながり、税収の増加と資産デフレからの脱却を可能にするはずだ。目標は高く
政府が昨年末に閣議決定した新成長戦略で、大きく欠けていると言わざるを得ないのが人口増加への意気込みである。
外資系の投資家の目から見ると、一国の経済成長にとって致命的な要素となりかねない人口減少に対して、日本政府が移民政策など具体策をなにも提示しようとしていないことから、日本は長期投資の対象として敬遠したくなるようだ。
人口減少は住宅をはじめあらゆる国内需要を根幹から減少させるので、極めて重要な経済成長への課題として意識されなければならないものだ。政府が示した「人口減少の中での活力の維持」という打ち出し方では、目標として弱すぎはしないか。
日本人の子供を増やすという面と、それだけで人口の維持が難しい現状では、外国人の定住者を増やすという両面からの政策が重要となる。人口増加策と国際化を渾然一体として進めることが、景気回復と経済成長に必須だろう。
成長戦略としては、人口増加策を強く打ち出し、日本の定住者人口は増加すると内外に信じさせるだけのプランを政府が打ち出すべきである。そうすれば、将来の需要増を見込む投資が行われ、新たな需要を更に引き起こす循環が生まれる。住宅や都市開発の面でどうすれば人口増加・国際化に寄与できるか、真剣に考える必要があろう。
住宅への金利優遇・金融緩和や、建て替えを促進する容積率の緩和だけでなく、思い切った不動産減税が景気回復をもたらす。そして日本の外国人を含めた定住者人口が増加するという確信を生み出しそれを実現していくことも経済成長に大きく寄与するにちがいない。
(遠藤
信明)













