過疎市町村と「廃屋」問題 北海道発 地価水準では『罪』産にも 撤去費用が地方自治体財政を圧迫
住宅新報 2010年1月19日 号 9面
大都市では、老朽化した家屋は更地化して建て替えたり、耐震改修・リニューアル、あるいはコンバージョンなどで再利用が可能である。今回は将来、過疎市町村で大量に発生するであろう老朽家屋・廃屋について北海道の現状について考えてみたい。
老朽家屋(廃屋)に対する問題認識は、大都市と過疎市町村では天と地ほどの開きがあるように思う。第一に、地価水準が低いため、鉄筋コンクリート造り建物の取壊し費用は土地代を上回ることが多い。つまり、更地化して処分しようにも取壊し費用の回収ができないのである。更に悪いことに、人口減少・中心商業地の空洞化現象から、リニューアル・コンバージョンによって再利用しようとしても需要は全く見込めない。こうなるともはや財産ではなく『罪産』と化してしまう。取壊しも再利用もできないので結局放置するほかなく、建物の老朽度は増し廃屋となる。
一方、このような建物であっても固定資産税評価額は高い。これは、現行の評価基準上、鉄筋コンクリート造り建物の耐用年数は60年、残存価値率は20%とされていることによるためであり、現実の建物状態と乖離(かいり)した状況が長期間続くことになる。このような建物に担税力はなく、所有者も高齢化し、年金以外の収入がないと固定資産税も払えない。事実このような建物が道内では増加しつつあり、大半の固定資産税は徴収不能とせざるを得ず、地方財政にとってもその対策は緊喫の課題となっている。













