馬淵国交副大臣に聞く 住宅・建築行政の方向性 「中古の資産価値向上を優先」
住宅新報 2010年1月19日 号 2面
10年度税制改正大綱や予算案、政府の新成長戦略(基本方針)が閣議決定される中、今後の住宅政策の進め方や、建築基準法の改正など建築行政の見直しに向けた考え方などを、馬淵澄夫・国土交通副大臣に聞いた。
馬淵副大臣は今後の住宅政策について、「ストック重視は絶対」と言及。年月と共に価値が失われていく現状を問題視した。その上で、中古住宅の資産価値をいかに上げるかが重要との見解を示し、「既存ストックの流通や発展に力を入れる必要がある」とした。
ストックの流通活性化に向けては、中古住宅・リフォーム保険の開発が進んでいることを指摘したほか、10年度予算案の中に、中古住宅の売買と建物診断、リフォーム、住宅履歴書を一体的に行う事業に、改修費用などを上限100万円程度補助する「環境・リフォーム推進事業」が盛り込まれていることを挙げた。
ただし、政府が09年末にまとめた新成長戦略(基本方針)で、中古・リフォーム市場を20年に倍増へといった目標を掲げていることなどもあり、同大臣は「まだ不十分だという思いがある」と更なる行政の支援が必要という考えを示している。建て替え要件は今後議論
新成長戦略では、既存住宅における耐震不足の割合を5%まで減少させるといった目標も掲げている。耐震化を進めるためには、区分所有法に基づく、マンションの建て替え決議要件も大きなネックになる。これについては「財産権の問題があるため、簡単にはいかないと考えている」と慎重な姿勢を示したうえで、「今後、議論の対象になる」とし、「建て替えを進める現場で、どういった事例や声が上がっているか調査する必要がある」と話した。『建築基本法』上位概念に
一方、建築基準法の改正など、今後の建築行政については、「抜本的な見直しが必要」と説明。その一環として、量から質へなど既存ストックの価値を上げる議論になってきた中、建築そのものの在り方を示す「建築基本法」の必要性に言及した。
「建築基本法」の制定に当たっては、建基法や住宅瑕疵(かし)担保履行法など既存の法律の穴埋めではなく、上位概念としての位置付けを重要視。「住まい・まちづくりの在り方を規定していくことになる」と述べた。今後は11年の建基法改正を見据えつつ、12、13年にどう進めていくか「ロードマップを作る必要がある」とした。宅建主任者
「士」業化は慎重姿勢
また、1月8日に細野豪志・民主党副幹事長が全宅連・新年賀詞交歓会の席で発言した宅建主任者の「士」業化については、慎重姿勢。「単純にステータスだけで『士』と置いた場合、他分野の資格をどうするか問題がある。また、必ずしも業界の中で一本化しているとも理解していない」と言及。そのうえで、「業界の実態などを把握したうえで、与党からの要望が上がってくれば、しっかりとした議論に上げなければならないと考えている」と話した。













