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スタンダード会員限定トップインタビュー エス・バイ・エル 荒川俊治社長 競争原理で組織活性化

住宅新報 2010年1月12日 号 13面

 エス・バイ・エルの荒川俊治副社長が昨年末、同社社長に就任した。積水ハウス取締役、積和不動産関西常務の経験を生かし、営業力のテコ入れを図る。荒川新社長に今後の戦略を聞いた。

 --課題として見えてきた点は。

 「組織改編と制度改定の必要性だ。本社人員を半分程度の100人強まで減らし、現場部門の比率を上げていく。また、支店の規模を見直す。現在19支店あるが10程度まで集約する。狙いは1支店当たりの規模を大きくし、競争原理を働かせることにある。合わせて支店長の裁量権を拡充する。シンプルな組織にすることでスピーディーな対応が可能になる。4月から変革する予定だ」

 「給与制度や人事制度も見直し、社員のモチベーションがより上がる仕組みにしたい」

 --目標として、5年後には、現在約280人の営業担当者を500人体制に引き上げ、年間受注戸数3000戸を達成したいとしています。実現するためには何が必要ですか。

 「昨年の10、11月に、全19支店を回り、全社員と面談した。その中で感じたことは、お客様を大切にするという感覚が薄らいでいることだ。それは、お客様にはすぐに見透かされ、他社と競合したときに負けてしまう。また、引き渡し後にも定期的にお客様宅を訪問する意識を高めたい。そういう営業としての基本的な心構えを改めて伝えていく必要があると感じている。それを徹底しないと営業力強化は始まらない。そのため、年明け7、8日には自分が講師となって営業研修を行った」

 「また、受注増に向けて『過半数』にこだわっていきたい。例えば各月、必ず営業担当者の過半数が受注をとるようにする。つまり、過半数が受注なしという状況では、集団心理として危機感が薄れる。これは企業にとって怖いことだ。逆に過半数が受注を取ると、取ってない人は肩身が狭くなり、『来月は頑張らなければ』と考える。組織の活性化につながる」

 --新たな商品展開は。

 「強みは、創業から59年間で培ってきた技術力やデザイン力、設計力だ。これらを生かし、会社の顔となる商品を4月下旬発売に向けて開発している」

 「また、こうした時代だから、より多くの人が住宅を手に入れることができるように、従来よりも価格を抑えた住宅も販売したい。当社の注文住宅の価格は平均2800万-3000万円くらい。1000万-2000万円程度の商品を開発し、住宅を建てるという夢を実現してもらいたい。それが市場を広げることになり、受注拡大につながるだろう」

 --価格を抑えた住宅としては、ネット住宅もありますが。

 「営業担当が顧客宅を訪問せず、メールなどを使って家づくりを進めていくネット住宅は引き続き推進していく。ただ顧客の中には、やはり営業担当と対面で打ち合わせしながらリーズナブルな価格の住宅を取得したいという人もいる。今まで掴めていなかった層に積極的に対応していく努力も必要だ」

 「営業力のレベルアップと、顧客ニーズを先取りした商品開発の両面を進めていく」

 --将来的には、核家族世帯数が大幅に減少するため、新築住宅需要は厳しくなると思いますが。

 「高齢者向けの住宅や有料老人ホームなど医療・介護系の請負を伸ばしていきたい。リフォームなどストック事業も拡大の余地は大きい」

 「いつの時代でも、顧客の目線に合わせることが商売の大原則だ。厳しい市場で生き残っていくためには、そうした原則に常に立ち返り、開発や経営をしていくことが重要だ」

 (井川

 弘子)

 荒川氏の略歴=1948年生まれ。76年2月、積水ハウスに入社し、同社執行役員、取締役兼常務執行役員などを歴任し、2008年から積和不動産関西常務取締役。09年9月、エス・バイ・エル執行役員副社長に就任。同年12月から現職。

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