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スタンダード会員限定人材こそが企業の原点 企業文化を重視しチーム営業で成果

住宅新報 2010年1月5日 号 18面

 「あなたと契約したい」--。不動産営業に携わる者への最高の褒め言葉と言われる。こんな言葉を掛けられるような人材を育成し、成果を引き出す仕組みを構築することが苦境を生き抜き、業績を高めるカギだろう。不動産業は一般に歩合制の給与体系が多く、報酬が従業員をつなぎ止める面が大きかったが、近年では企業文化を重視し、じっくりと腰を据えて人材を育てる動きが目立ってきた。成果は業績にもはっきりと表れており、不動産業の原点がまさに人だということを改めて気付かせてくれる。好調企業の共通点

 センチュリー21加盟社の売上ランキングで9年連続全国1位に輝くオープンハウス(東京都渋谷区)の荒井正昭社長は、好調な業績を続けている要因の1つとして、組織作りの成功を挙げる。「設立当初は中途を中心に採用し、コミッション制を導入してきたが、ここ数年は当社のビジョンに共感できる新卒を採用し、育てていく方針に切り替えた。その効果が着実に表れてきた」と話す。4月には新卒50人が入社する予定だ。

 埼玉県内を中心に建売販売などを手掛け、今年度600棟の販売を射程に入れているケイアイスター不動産(埼玉県本庄市)も好調要因の1つとして、人事戦略の成功を挙げた。給与体系を変えてコミッション営業を減らすなど、安定的な雇用体系にシフト。塙圭二社長は「定着率も上がっている」と述べ、旧来の不動産業者のイメージからの脱却を図っている。

 両社とも企業の文化や価値観を理解する社員をじっくり育てることの重要性を指摘し、業績好調の要因となったと分析している。

 それを裏付けるような調査結果がこのほど、日本能率協会グループから発表された。

 上場及び未上場企業の人事教育責任者を対象に調査を実施し、1000社から回答を得た調査結果の速報によると、成功または何らかの形で成果を出している企業の6割強が「人事・教育施策の重要性を認識し、業績向上に寄与していると考えている」ことが分かり、8割以上の企業が重視・強化している価値観が、正社員雇用強化▽終身雇用▽新卒採用--となった。更に人材教育で重視する価値観として、「チーム」「自社価値観」を挙げる傾向もはっきりしている。

 日本能率協会総合研究所の譲原正昭主幹研究員は「まだ速報段階であり、企業規模による差の分析が必要だが、日本型経営への原点回帰の傾向が見られるのは確か」と解説した。人の成長は無限

 不動産のサービス事業化を目指している不動産中央情報センター(北九州市)では、チーム営業を導入したことが定着率の向上の1要因になったと分析している。加えて、各種休暇や福利厚生制度の充実で、ほとんど従業員が辞めない組織を構築した。

 同社の濱村美和社長は「『自分がいないと職場が回らない』という自負を持つ人もいるが、あるべき姿ではない」と指摘し、1週間にも及ぶ休暇を取得するように奨める。誰もが休みを取れる職場体制を整えることは、業務生産性の向上及び改善につながり、休暇中の社員をフォローする体制の確立によるチームワークの醸成や、助け合う風土づくりにもなるという。「一石三鳥」というわけだ。

 

 

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 不動産業は、報酬が従業員を会社につなぎとめている面が大きかったが、そうした人事戦略の在り方を見直す時期に入ってきている。

 濱村社長は「当社は地域に密着し、大切な資産を扱う以上、信用が一番大事。担当者が変わるようでは、期待に応えられない」と話す。加えて「これからの時代、人が最終的には企業の成長のすべてを決定すると考えている」とも指摘。考え方さえ誤らなければ、「人の成長は無限大で、企業全体の成長率は2倍にも3倍にもなる」(濱村社長)。

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