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スタンダード会員限定不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編(10) 貸主からの解約申し入れ後6カ月で契約は終了しますか?

住宅新報 2010年1月5日 号 6面

Q

 前回のこのコーナーで、貸主からの中途解約は、原則として認められないということが書いてありました。そして、その法的根拠が、借地借家法の26条から28条までの3カ条にあるということも書いてありました。

 そこで、その借地借家法の3カ条を読んでみたのですが、どうしてもわからないのが、27条1項の「賃貸人が解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約申入れの日から6カ月を超過することにより終了する」という条文の意味です。本当に、解約申入れ後6カ月経てば、契約は終了するのでしょうか。A

 期間の経過だけでは終了しません。借地借家法27条1項の規定は、前条(26条)1項の規定を受けたもので、契約の更新がなされないまま、つまり法定更新されたまま(この場合は、「期間の定めがない契約」になる)、従来の賃貸借の期間が満了し、その後に貸主が解約の申入れをした場合に、契約がどうなるのかということを定めたものです。

 そして、この27条1項の規定の意味をわからなくしている最大の理由は、その条文が単に「解約申入れの日から6カ月を経過することにより終了する」とだけ定められているからなのです。つまり、この条文があるため、通常のあるいは合意更新後の期間の定めがある賃貸借の場合であっても、6カ月前の予告をもってすれば、期間内の解約、つまり中途解約が可能なのではないかという誤解が生じているのです。

 しかし、この27条には続きの規定がありまして、その続きの規定(28条)に「期間満了後の申入れであっても、貸主に「正当の事由」がない限り、契約を終了させることはできない」と定められているため、本来であれば、この28条の規定とセットで読まなければならないものを、27条の条文だけを単体で読むため、27条だけが独り歩きをしてしまっているのです。つまり、通常の期間の定めがある賃貸借の場合には、当然その期間内は解約することができないのですが、その契約が法定更新された後の期間の定めがない賃貸借になった場合であっても、貸主側に「正当の事由」がない限り、契約を終了させることができないというのが、本条のポイントなのです。Q

 ということは、この貸主からの中途解約や期間満了後の解約の問題を理解するには、借地借家法の26条の「更新拒絶」に関する規定から28条の「正当の事由」に関する規定までを一連・一体のものとして理解する必要があるということなのですね。A

 そのとおりです。ですから、前回のときも同じことを申し上げたわけです。この借地借家法の3カ条を正しく理解しているかどうかによって、建物賃貸借に関する仲介が、お客様の信頼にかなうものになるかどうかが決まると言っても過言ではないと思います。

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