分かる不動産証券化とビジネス活用<第86回> 不動産証券化の現状と将来展望(57) 世界標準への対応策は
住宅新報 2009年12月22日 号 3面
昨年秋からの金融危機は小康状態にあるものの、いまだに再燃するリスクを抱えていますし、円高、デフレなどの懸念材料を抱える中で、日本経済の先行き見通しも不安定です。当面の市場動向については不透明感が残ると言わざるを得ません。
しかし、中長期的視野に立てば、金融危機が一服した後には、リスク回避している世界の潤沢な運用資金が、株式、債券などと同様に不動産市場へも再び流入することは容易に推測されます。ただ、不動産市場へ資金が流入するといっても、それはグローバルな投資が可能な中での話です。投資家は日本の不動産に投資してもよいし、欧米はもちろん、香港、上海、ベトナム、インドネシアなどの他のアジア諸国に投資しても構わないのです。そうなると、日本の不動産投資市場が中長期的に発展するためには、グローバルな市場間競争をいかに勝ち抜くかが課題になります。
そこで重要なのは「デファクト・スタンダード」(事実上の業界標準)の問題です。あらゆる分野において、デファクト・スタンダードを握った者が強いのは、ある意味で当然なことです。古くは、東大の坂村教授が発明したパソコンの基本ソフトTRONが、90年ごろの日米経済摩擦の中でマイクロソフトのウインドウズの陰に押しやられてしまったことがありますし、国内でもビデオの仕様でベータとVHSの戦いがあったことは広く知られています。いずれも、デファクト・スタンダードを握った勝者が、その後に一人勝ちする構図となりました。













