森田博子--キッチン・収納 現場の『すご腕』 第4回 「気楽な空間」で気軽に収納
住宅新報 2009年12月15日 号 15面
負担を和らげ美しく
昔は、虫干しとか衣替えとか、季節を感じさせるいい表現がありました。ところが、日常的には、毎日、毎食ごとにモノの出し入れに追われ、収納という言葉を聞くと、「面倒だ」とうんざりしませんか。それは、「煩わしさ」の割には、すっきりと収納できないからではないでしょうか。モノの出し入れが簡単で、しかもすっきりと収納ができれば、「面倒くさい」という思いからの解放につながってきます。
片付ける負担を和らげ、美しい収納を得るための簡単なコツがあります。それは「気楽な空間」を1つ、つくることです。「気楽な空間」があることで、とりあえず大きなあるいは重いモノを簡単にしまい、片付けることができ、気分がすっきりします。特に食後の煩雑な食卓が解消されます。
この「気楽な空間」をどこにつくるのか?
キッチンなら対面式カウンターの下とか、使う人には見えやすく、他の人の目につかない場所がいいのです。ひと目につかないので乱雑に置いても気にはならず、後で片付ければいいわけです。
買い物から帰ってきても、とりあえず「気楽な空間」に食材を入れておく。食事の支度をするときに、取り出せば気が楽です。また、時々しか使わないが、しまいこみたくない土鍋や圧力鍋などには、とって置きの場所となるでしょう。ジャガイモやタマネギといった冷蔵庫に入れたくない常備野菜の収納場所としても、役に立つ使い勝手のいい場所です。
「気楽な空間」はキッチンに限りません。家のあちこちに、気楽に収納できる空間をつくっておけば、贈答品の一時的な隠し場所となります。どこにしまえばと迷った時にも、とりあえず「気楽な空間」に保存して、時間があるときに本格的な収納場所にしまえばいいのです。
今回紹介する写真(住宅新報本紙に掲載)は、キッチンとリビングが背中合わせになっている部屋の場合です。
キッチン側からのみモノが取り出せるようになっています。リビング側はシンプルな壁になっている気楽な収納スペースです。1カ所だけ、両方に通じるようになっています。この窓は、リビングでくつろぐ子供たちにキッチンからおやつを、またご主人に酒の肴などを出す時に使います。
ある家庭では、この窓を利用して、ゆび人形劇の舞台として楽しんで使っています。(もりた・ひろこ=キッチンスペシャリスト)













