鑑定協会レター 京都編 「観光都市」の特性生かす術を
住宅新報 2009年12月15日 号 8面
■消費者はどこにいる
京都に限ったことではないが、車で走っていると閉鎖されているガソリンスタンド(GS)をよく目にする。「今後10年間で36%が閉店する」とのGS業界内の予測調査が今春報道されていたが、GSと同じくかつてのロードサイド型業種の代表選手であった外食産業も、この10年間に4兆円もの売上高が消え、一部の企業を除き大量の店舗閉鎖を迫られているようだ。
また、商店数の方も、ピーク時の97年時から3割近い約4万2000店が全国で減ったが(09年3月時点、全国商店街振興組合連合会調べ)、郊外中心の大型店舗増加の影響とされているものの、同業他社の中で閉店の少なかった「イトーヨーカ堂」でさえ、地方の中小型店を中心に30店舗を閉鎖する状況にあり、百貨店の売り上げ不振については今更の感がある。
結局、一部のカテゴリーキラー(家電や衣料品など、特定の分野の商品のみを豊富に品揃えし、低価格で販売する小売業態)などと呼ばれる店舗を除き、出店意欲は弱く、物が売れない状況である。しかし、一方で、近くの商店が閉鎖したことで、車に乗れない来店手段に難渋する高齢者を中心に「買い物難民」とも呼ばれる、「日常の買い物に困っている消費者」も出てきている。そんな状況が地方都市の姿ではないだろうか。
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京都の商業地と言えば「四条通」や「河原町通」をイメージする方が多いかも知れないが、現在の河原町通はパチンコ店・カラオケなどの業種が多く、物販店を中心とした商業地から、歓楽街としての要素が強くなっており、通行量はそれなりに見られるが、「ただ歩いているだけ」と指摘する向きもある。
このような状況を反映し、今年の地価調査では河原町通沿いの基準地が前年比マイナス25.3%となった。京都市内でも最高の下落幅として発表されている。全般に観光都市・京都として、年間5000万人の観光客を呼び込む構想はどうやら達成出来たようだが、昨秋以降の景気変動に伴い、円高による外国人観光客への影響や、新型インフルエンザの発生などもあり、今後については未知数の要素も出てきている。
そんな中、注目されているのが京都駅周辺である。■ジョイント・コーポの破綻
京都駅では、97年の京都駅ビルへの「伊勢丹」の進出から、北側の「ビックカメラ」(07年出店)に続き、近鉄百貨店の跡地に「ヨドバシカメラ」が10年10月に国内最大級の店舗として出店する予定で工事が進められている。
これに対し開発の遅れていた駅南側の八条口近くに、大型商業施設「ヴィノワ」が、本来であれば今年10月に開業予定で、更なる京都駅周辺の商業集積の高まりが期待されていたものである。しかし、昨秋以降の金融不安と不動産市況の低迷のなか、開発主体であるジョイント・コーポレーション(本社・東京都)が09年5月に破綻(はたん)。京都市内3番目の規模の複合商業施設と言われた同店舗は、外観からは完成に近い状況を示しながらオープン時期未定のまま工事が中断されてしまっていた。
そして現時点では、紆余曲折は経たもののイオンモールの運営で店舗名も変更し、10年5-6月に開業する計画と報道されている。
前述のような消費の低迷や消費者行動の変化があるなか観光都市京都の駅前という立地条件を生かし、「何を」「どうやって」売っていくのかが今、注目されている。
(京都府不動産鑑定士協会会員・山下
光弘)













