総務省 地デジ化で緊急対策 共聴施設の対応を強化
住宅新報 2009年12月15日 号 5面
総務省はこのほど、ビル陰や集合住宅の地デジ化を加速するため、「共聴施設デジタル化緊急対策(2次)」を発表した。受信障害対策及び集合住宅の共聴施設のデジタル化に向けた市区町村別の各年度末目標を公表し、地域独自の取り組みを強化する。総務省のデジタル放送受信者支援室は、来春のマンション管理組合の理事会や総会のピークを控え、「総会などでコンセンサスを取り、地デジ対応の方向性を決めてほしい。今回を逃すと地デジ化の直前となる。実質的には最後のチャンスだ」と呼び掛けている。未対応の賃貸住宅についても「繁忙期を前に物件の付加価値アップ策として、地デジ化を進めてほしい」と同支援室。「地デジカ・ステッカー」の活用や入居者への情報提供などでデジタル化を加速させたい考えだ。管理組合で早急に合意を
総務省が把握している受信障害対策共聴施設は全国に約5万件あり、デジタル化対応済み率は、18.7%(9月末)。10年3月時点で対応率50%を目指している。エリア別では、関東(施設数1万6868、対応済率7.8%)と近畿(同1万3669、同8.3%)が低く、対応を強化する。
地デジ放送は、受信障害に強い伝送方式を取っているため、ビル陰でも直接受信できるようになる場合もある。具体的な対策は、(1)デジタル化で受信障害が解消される場合は、個別でアンテナを立てる(2)ケーブルテレビやブロードバンドサービスに移行(3)共聴施設を改修--のいずれか。そのうち(2)と(3)の方法を取り、その総経費が各戸当たり3万5000円を超える場合は国から助成金が出る。施設管理者及び管理会社への訪問活動や説明会の開催で周知を図っていく。ただ、ディベロッパーの倒産で情報が引き継がれなかったり、オーナーが代わったりすることで、管理者が共聴施設であることを認識していないケースもあり、「なかには押し売りや詐欺商法と勘違いされることもある」という。更に、総務省が把握していない無届けのケースも相当数あるとされ、対応が課題となっている。周知徹底が急がれる。
個別受信可能地域では、簡易受信調査結果をウェブで公表し、対応を促していく。例えば、川崎市高津区溝口エリアでは、「この地域ではビル陰も含め、ほぼ全域受信可能」と大きくうたい、受信方法を説明するチラシを全戸に配布した。
また、不動産業界団体のサイトなどで、地デジ化を促す管理会社や施設管理者の模範事例を紹介し、配布文書などのサンプルを活用できるようにする。
費用負担などで施設管理者と入居者で紛争になるケースもあることから、法律専門家による無料相談や調停業務を始めており、こうした相談体制を強化することで、当事者間の協議を促していく。繁忙期前の差別化策に
一方、集合住宅共聴施設は約211万5000件あり、対応済みは、約140万4000件、66.4%で、10年3月までに80%を目指している。
エリア別では、対応率が低い順に埼玉県15.9%、京都府29.4%、東京都34.7%、千葉県36.5%、茨城県38.2%、神奈川県42.1%。
テレビ放送開始後早い段階のUHF放送開始前にアンテナを設置した集合住宅が多い南関東や、UHFとVHFの送信所が異なる京都で低い傾向が見られた。
対策として、認知度向上と物件差別化のため約20万枚制作したステッカーを普及させる。併せて地デジ対応の集合住宅をデータベース化、早期に検索システムを導入する考え。
更に不動産ポータルサイトと連携し、(1)物件情報に地デジ対応済みを位置付ける(2)地デジ情報の提供やリンクの設定--などの協力を呼び掛けるとしている。













