知って得する建物の豆知識(25) ガラスの進化 注目浴びる3つの講法
住宅新報 2009年12月1日 号 4面
現在当たり前に使われている板ガラスですが、ガラスそのものは古代メソポタミア時代から存在しています。ガラスの主成分である石英(せきえい)が多く含まれる土壌で焚き火などをすれば、容易にガラスらしき固まりが灰の中に残ったのではないでしょうか。「歪み」との闘い
現代ガラスの基になる製造法が確立したのは中世になってからで、教会のステンドグラス用途としてベニスなどで盛んに造られました。しかしながら、色ガラスではあっても形状は現在のような板ガラスではなく、パイプの先に高温のガラスを巻き付け、息を吹き込んでガラスのボールを造り、これを熱いうちにハサミで切り開いて板状にしたものでした。そのためガラスを通した景色は歪(ゆが)んでしまうという欠点がありました。
その後「鋳造法」が発明され、ガラスはかなり均一になりました。鋳造法は、金属板の上に溶けたガラスを流し込み、冷えないうちにローラーで均(なら)すため、吹きガラスに比べ歪みの少ない板ガラスが得られたのです。
少ないとはいえ、景色の歪みは完全に無くなったわけではありませんでした。何とかしてクリアな景色を得ようと、鋳造法で造った板ガラス二枚を平らな板の上で摺(す)り合わせて粗摺りガラスを造り、これを布やフェルトで磨いて「磨き板ガラス」としました。しかし、この磨き板ガラスは非常に高価なものであったため、一部の貴族や金持ちしか使うことができませんでした。50年代に一大発明
後に、平滑な板ガラスを得るために溶けたガラスを細い溝から連続的に引き出す「フルコール法」「コンバーン法」が発明され、ガラスの大量生産が可能になりました。しかし、板ガラスが今日のように高い平滑度を持つようになったのは、1950年代に「フロート法」が発明されてからです。
フロート法の仕組みは、溶けた金属の入った大きな槽に溶けたガラスを流し込むと、比重の関係でガラスは溶融金属槽に浮きます。浮かんだ面は自然に平滑になり、反対側の面は上部から加熱することで、ガラスの両面とも非常に平滑度の高い板ガラスが得られるようになったのです。
今日は機能ガラスとして、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラス、複層ガラス、強化ガラス、合わせガラスなどが開発されていますが、注目を浴びているのはガラスで建築そのものを構成する「ガラス構法」ではないでしょうか。現在使われているガラス構法にはリブガラス構法、DPG構法、MPG構法があります。
リブガラス構法は比較的古く、大きなガラス面の継ぎ目に直角方向にスティフナーというガラスのリブを設け、強度を出す構法です。接合部はシリコン材で接合されるので、多少の可撓(かとう)性も持っています。
DPG構法は板ガラスの隅に穴を開け、支持金物によってサッシを使わずに、板ガラスを組み合わせて大きな面を造り出す構法です。
MPG構法は、ガラスには穴を開けずガラスのエッジに金属を挟み込んで大きなガラス面を得る構法です。DPG構法に比べ、コストは安く済みます。
(建築家・中村
義平二)













