改正建築士法が完全施行 大規模建築物 専門家関与を義務化
住宅新報 2009年12月1日 号 2面
大規模な建築物の設計に、構造設計・設備設計一級建築士の資格を持った専門家の関与を義務付けるなどした改正建築士法が、11月27日に完全施行を迎えた。改正建築士法による専門家関与(今週のことば)は、5月27日以降に設計された大規模建築物を対象としており、5月26日以前に設計がなされた建築物については11月26日まで、専門家関与の必要がなかった。しかし、このほどの完全施行を受け、5月26日以前に設計がなされた建築物を含むすべての大規模建築物に専門者関与を義務付け。同法完全施行に併せ、変更を行った確認申請図書の様式に関与した専門家の記名・押印がない場合、申請が受理されなくなる。
建築士法は、05年に起きた構造計算書偽装事件を背景に改正された。建築士試験の見直しなどと併せて、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士制度を創設。一定の大規模建築物を建築する場合、同建築士による関与(自ら設計もしくは適合状況の確認)を義務付けている。対象となる建築物について、08年度の実績をもとにした国交省の参考値では、1年当たり構造は約2万件、設備は約2000件としている。
これら対象建築物の確認申請に漏れがないよう、新建築士制度の導入に向けて、国土交通省は、資格者の増員や事務所の資格者確保状況など実態把握、またサポート体制の構築などを進めてきた。
資格者について、構造設計一級建築士は8263人(11月19日現在)を確保、設備設計一級建築士は3702人(11月12日現在)を確保した。また、特に地域偏在が懸念された設備一級建築士の確保状況について、09年2-3月に実施したアンケートでは、935事務所が未確保もしくは未回答だったが、その後のフォローアップなどにより、10月31日現在で15事務所まで減少。「資格者の数は充足している」(国交省)状況だ。
こうした取り組みにより、5月にスタートした専門家の関与状況は徐々に増加。9月時点で構造設計一級建築士は対象建築物の77.4%、設備設計一級建築士は64.9%が関与。国交省は「関与物件は増加しており、現在のところ、経済に影響を及ぼす遅延・混乱は生じていない」と話している。
一方で、現場からは設計図書への記名・押印方法などについての問い合わせがあり、新・建築士制度普及協会はそうした手続きの運用解説版を作成。同協会のHP(http://www.icas.or.jp/index.php)からダウンロードが可能となっている。













