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スタンダード会員限定「家主の声も聞いて」 更新料問題 京都で決起集会 不況で賃貸住宅経営に危機感

住宅新報 2009年12月1日 号 1面

「更新料裁判は貸主側にとって危機的状況にある。最大の要因は裁判所に家主側の声が伝わっていないことだ」--。貸主更新料弁護団代表の田中伸弁護士は危機感を募らせ、京都で「家主決起集会」を開いた。他方、都内であったオーナー向けのセミナーでは同弁護団首都圏担当の久保原和也弁護士が登壇。「高すぎ家賃は取り戻せる!」と題する特集を掲載した週刊誌を掲げ、借主視点に立つマスコミ報道の例を複数紹介した。本紙の取材に「場合によっては東京圏でもオーナー集会を開き、実情を訴える必要があるかもしれない」と話した。空室増、賃料低下、滞納増加と、いわば三重苦にあえぐ家主の声は果たして裁判所に届くのか。益々厳しさが増す賃貸経営環境の実態を訴える「家主決起集会」を取材した。(5面に関連)東京では対策セミナー

 更新料問題を考える会と貸主更新料弁護団は11月22日、「家主決起集会」を京都商工会議所で開き、賃貸住宅のオーナーら約250人が参加、オーナーだけでなく、貸主を支援する弁護士、税理士、不動産鑑定士がそれぞれの立場で更新料問題について発言した。

 開催の背景には、消費者保護の流れが加速するなかで、更新料訴訟で無効判決が相次いだことがある。10月の大阪高裁で有効判決が出て、高裁レベルの判断が分かれたものの、貸主更新料弁護団は強い危機感を持っている。

 一部の業者による、いわゆる「追い出し行為」が社会問題化したことも重なり、経済的に困窮した借主の声がマスコミにも大きく報じられ、家主の声はかき消されがちだからだ。

 更に、「京都に約500人いる弁護士の内、貸主側は10人程度」(久保原弁護士)と、オーナーと一丸となって裁判に当たる必要もあるという。

 田中弁護士は「日本社会では家主への一種の偏見がある」と述べ、世の中に家主の実状を伝えることの必要性を訴えている。具体的には「更新料が余剰金でないことを明確にし、家主側のリスクを認知させることが必要だ」と呼び掛けた。

 また、更新料問題を考える会の大路博司氏は「マンション建設に当たっては相当な資本を投下しており、回収しないと経営は成り立たない。経年劣化などに対する維持費用もあり、賃料だけで捻出するのは不可能。更新料は適正な経済活動にあたる」と話した。

 オーナーの発言は6人。そのうちの1人は、「賃料収入は減少の一途だが、入居者負担を軽減するために賃料アップは避けたい。そうした理由で更新料をいただき、維持費などに充当しており、適正な事業活動だ」と話した。

 また、同弁護団事務局長の伊藤知之弁護士は「今後、礼金、共益費といった訴訟問題に発展しかねない。弁護団も総力を挙げて『更新料有効』を勝ち取る」と力強く述べた。京都の更新料「特殊ではない」

 他方、久保原弁護士は11月27日、都内であった東京共同住宅協会が主催するオーナーセミナーで更新料問題を解説した。

 講演の中で久保原弁護士は「京都では、更新料問題はテレビでも盛んに特集が組まれ、貸主更新料弁護団は、借主を困らせる、まるで悪代官のようなイメージで編集・放送されている」と借主視点に立つ報道が多い現状を紹介した。

 また、「京都の更新料が高額だ」とする声が東京圏で多く聞かれることに対しては、「決して特殊な事例ではない」と強調。8月にあった大阪高裁の無効判決の物件は、「下鴨神社のそばにあり、いわば一等地に位置する。不動産鑑定士の賃料査定によれば、事案の家賃は安く、むしろ相場よりリーズナブルだった」と説明した。1年で2カ月分の更新料という金額設定については「学生が多いことに起因し、初期費用などの一時金は親が払い、月々の家賃は学生自らが賄う慣習があるためだ」と解説した。

 「更新料問題は首都圏の皆さんの問題でもあり、他人事ではない」と問題意識を持つように呼び掛けた。

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