キラリ☆わが社の星(23) 大和ハウス工業 藤井 俊正さん(1)
住宅新報 2009年11月10日 号 7面
展示場のあり方、模索
住宅業界が曲がり角に来ているという話を書いて、否定する人はいないだろう。そして、その一端に住宅展示場をどうするかという点があることにも同様だろう。今回紹介するのは、展示場の問題やその在り方などを模索している藤井俊正さん。大和ハウス工業の技術本部東京デザイン事務所デザイングループのグループ長をしている人物だ。
展示場モデルハウスの来場が徐々に減り運営効率が悪化しているのは、他のハウスメーカーと同じく大和ハウス工業も例外ではない。その結果、新規の出展が抑制され、採算が悪化した展示場からは撤退する方向で動いている。仮に新規出展をする場合でも費用対効果に注意を払わざるを得ない状況だ。一方で「関東での知名度向上」ということを事業の大きな目標としている同社にとって、展示場の在り方に関することは、もしかしたらライバル他社より切実かもしれない。『家らしさ』で勝負
そうした状況の中で、東京・西新宿に「西新宿住宅展示場」が新たにオープン。藤井さんはモデルハウス「xevo(ジーヴォ)」(3階建て2世帯タイプ)で勝負に出た。「できるだけ家らしく、収納や家事動線に工夫を行い、高齢者から若年層まで様々な要望に応えられるようにしています」。筆者は同展示場の他メーカーが出展しているモデルハウスを5棟ほど見学したが、その中では一番オーソドックスな建物に感じた。
もちろん環境関連を中心に最新技術を導入したりしているのだが、「お客様からは『ホッとする』といった感想を頂いているようです」と藤井さん。まずまずの評価に一安心のようだ。「できるだけ家らしく」というのは、この展示場全体が首都圏各地からの来場を見込めることもあるだろう。「来場から契約という一連の目的だけでなく、お客様に考えさせること、『もう一度見に来たい』というリピーターのお客様を意識」した結果という。
展示場のモデルハウスというものは、来場する顧客の評価も大切だが、そこを拠点とする営業担当者の評価も重要になる。今回の「家らしい」というプランニングが、営業サイドにどのように受け入れられているのか気になるところだ。営業拠点としての展示場と、これからを意識した展示場の在り方とは必ずしも利害が一致するわけではなく、その調整も藤井さんの大きな役割となる。だが、「展示場は変わって行かなきゃという機運は強く感じていますね」という。
既存展示場のモデルハウスの建て替えについては今後、積極化するとのこと。「フットワークの良さが自慢ですが、目下の悩みは休みがなかなかとれない」と苦笑いする藤井さんだ。
(住生活ジャーナリスト・田中
直輝)













