女性パワーで売上UP 田原祐子 (15)
住宅新報 2009年11月10日 号 7面
「女性登用」の前に行うべきこと
成功への道筋、明確に
今回で15回目となるこの連載も、残すところあと1回(次号)のみとなりました。今回は、女性活躍推進事業を成功させるための、最も大切な部分をお伝えしたいと思います。
女性活躍推進事業を進めるにあたっては、社内でその効果や意義をオーソライズ(正当だと認められる)すること自体が、なかなか難しいものです。その理由は、女性が活躍することが、社内の「どの部分」に「どんなふうに」貢献するかが、現場の社員の方々に分からないためです。とりわけこの不況下で必要とされるのは、「絵に描いた餅」ではなく、「餅」そのもの。具体的には『実績』や『売り上げ』です。
実は、少し前に女性活躍推進事業が一世を風靡したのは、上場企業における経営業績(株式パフォーマンス)を比較すると、「女性を積極的に起用している会社が、そうでない企業と比較して明らかに高い」という事実があったためです。しかし、これに関しても、現場では「業績がよい要因が、果たして本当に女性なのか」という議論が絶えませんでした。賛同を得るために
皆様にぜひお勧めしたいのは、机上でこんな議論をするよりも、女性活躍推進事業を『営業実績に直結する』プロジェクトとして組み立て、売上アップにつなげることです。そうすれば、社内のあらゆる部署が女性活躍推進に賛同せざるを得ません。
しかし、その前に最低限必要なのが、社内で売れる仕組み(ビジネスモデル)づくりや営業のシステム化、見える化ができていること。本来、「中長期の経営戦略顧客ターゲット商品企画販売戦略営業戦術人材育成ノウハウ(営業力、提案力、コミュニケーション力)」という流れがあって、その中のどの部分に女性の労働力や女性視点を盛り込むかを決定すべきものなのです。また、こうしたプロジェクトを実施していく過程で、目に見えたプロセス(取り組み途中の)成果が出るよう、あらかじめ配慮してプロジェクト設計することも重要です。少々苦言を申し上げるなら、単に女性視点商品を開発してから、「商品はできたが、さあ、どう売ろうか?」、あるいは、女性リーダーを採用してから「どう活用するか」「どう教育するか」を決めるのでは、順序が逆転しているわけです。
付け焼刃の施策では成果は見込めません。女性活躍推進事業を検討する前に、まず、社内の戦略や営業フローの見直しと再構築が、成功のための必須条件なのです。
次号の最終回では、女性活用成効のポイントである、男性の「メンタリング」について指摘します。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













