トップインタビュー 常日頃(18)屋外編1 アールシーコア社長 二木浩三氏
住宅新報 2009年11月3日 号 8面
「常日頃」は今週から、屋外編も始めます。このコーナーは企業経営者に日頃の経営理念をフランクに語ってもらうのが趣旨です。そのためには、社長室や応接コーナーでインタビューをするよりも、社長と一緒に現地見学などをしながら話を聞く方が、『感動』を共有できるのではないかと考えました。記念すべき屋外編第1弾は、ログハウスを手掛けるアールシーコアが「新築住宅の常識を覆す『反逆』のログハウス」と銘打った新商品「BOLLOX(ボロックス)」を見に神奈川県三浦半島の津久井浜に行ってきました。
眼前は広々とした畑。その向こうに東京湾の浦賀水道が望める三浦海岸近くの小高い丘に、『反逆』のログハウスはあった。
--なぜ『反逆』なのですか。
「従来の新築住宅は建てた時が100点満点。その後少しずつ点が下がっていく。それに対し、この商品は引き渡した時は60-70点。でも、そこにお客さんが入居して少しずつ手を入れ、自分のものにしていく。すると愛着が増し、手放せなくなる」
「住めば住むほど思い出が増える。点数は100点、150点、200点と上がっていく。これが我々の住宅に対する基本思想だが、ボロックスはこのコンセプトを最大限に生かしたものとなる」
これまで、住み手が自分で手を加える新築住宅など、日本の住宅メーカーもマンションディベロッパーも扱ったことがない。ログハウスを別荘から自宅に取り入れたアールシーコアならではの画期的新商品と言えるだろう。
--壁や床は自分でペンキを塗って、自由な色に仕上げるということですが、素人は失敗しませんか。
「失敗してもいいように作ってある。とにかく楽しめることが大事。ボロックスは誰をターゲットに開発したかというと、並みの住宅ではモノ足りない・つまらない、でもお金も少々足りない--要するにモノ足りない、カネ足りない、そうした若い人たちだ」
「そうした彼らのために我々はとっておきの解決策を用意した。まず予算を抑えるために通常なら使わない、少し染みがあるとか、クラックが入った木材なども使用している。これらはブルーステイン材(パインログ)といって北米では当たり前のように使っているもので、性能的には何の問題もない」
現地の見学会場にはペンキ塗り体験コーナーがあった。やってみると、それほど難しくはなかったし、とにかく楽しい(!)。
--今の若い世代は住まいを感性で選ぶといいます。こだわりを持ちたがる若い世代にボロックスが用意したのが『自分で仕上げる』という仕掛けですね。
「完成品を引き渡すのではなく、あえて3割程度の未完成部分を残した。そこを自分なりの表現で作り込んでみてほしい。住まいをキャンバスにしてしまってもいいのではないかと」
モデルハウスの内部を見学すると、とんがり屋根の下の三角スペース、キッチンの壁、2階のど真ん中にそびえる大黒柱など、壁や床以外にも棚をつける、秘密の収納場所にするなど手を加えたいところがいっぱいある。
各部屋のドアは付けたければ付けるし、そのままの開放感を味わってもいいようになっている。
「ボロックス」という商品名の原語は「勝手にしやがれ」という意味。これをもじると正に「勝手に仕上げろ」だ。
最後に、二木社長はボロックスの究極のコンセプトをこう語った。
「家は諦めが肝心。お金がないのだから高望みはしない。その代わり遠慮しないで自由にデザインする。そして思いっきり楽しむ。たかが家ですから」。
「家は、生活の手段」が常日頃の持論でもある。
(インタビューアー・本多
信博)<会社概要>本社=東京都目黒区青葉台1-4-5設立=85年8月
資本金=5億6048万円
事業内容=自然派個性住宅の企画・製造・販売電話=03(3463)3331













