紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第25回 坂口有吉
住宅新報 2009年11月3日 号 5面
10.29大阪高裁
現実見据えた判決
透明性を持たせる努力も
10月29日に大阪高裁で更新料を巡る控訴審判決が出された。一審の大津地方裁判所の貸主側勝訴判決を支持し、借主側控訴を棄却する判決である。これは前回の京都地裁からの控訴審で借主側の逆転勝訴となった判決と全く逆の内容になっている。前回、逆転勝訴した借主側の弁護人は「画期的な判決」と歓迎していたが、今回の判決は、貸主側からは同様に受け止められるものだろう。それには理由がある。常識的で妥当
今回の判決では、具体的にアパート経営をビジネスと認め、利益を追求することは当然としていて、仮に更新料を違法ということで認めなくなれば当然に現賃料を値上げしなければならなくなる可能性にも触れ、一歩踏み込んで現実を見据えた内容になっている。更新料を賃貸事業上の収益の一部と認定し、賃貸借期間の長さに相応して支払われるべき対価の追加分と解するのが相当で、当初の契約時に予め合意がなされていたと認められる、とまで言及している。
今回の判決では、更新料を支払うことが、賃借人にとって一方的に不利なものとはいえず、消費者契約法にも違反しない、と判断している。そこは前回の大阪高裁判決とは解釈に大きく隔たりがある。
途中で更新料を値下げするなど貸主が借主の負担に配慮していたことも判断の基準になっていたようで、判決内容自体は極めて常識的で妥当である。理解得やすい制度を
ただ、この判決をもって我々業界が永く続けてきた制度が正当なもの、と判断されたワケではないと思う。間違ってはいない、と言われただけで、正しい、と認定されたワケではないのだ。
判決はどうあれ、消費者からすれば礼金も更新料も意味不明な制度であることに変わりない。我々はお客様から相当な金額を預かる商売なのだから、内容に透明性を持たせる必要があるだろう。たとえ貸主側勝訴の判決が確定したとしても、更新料や礼金という制度を、今のままの形で存続させて良い話にはならない。我々業者は、誰からも理解を得やすい制度の下に収益を追求すべきではなかろうか。
(坂口有吉不動産・社長)













